あるとかないとかについてのいくつかのメモ

AC企画に関する脊髄反射的な何かということで、いくつかの点についての雑駁なメモ。

過去のエントリ等と重なる部分があるが、その点はご容赦を。

 

まずは本日の表のAC企画でのこちらのエントリ。こちらも、無資格*1でのから初めて、NY、日本と資格を取って企業内法務に戻った者としては、色々思うところがあった*2

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内容としては、正直な心情が書かれたエントリだと思ったのだけど*3、資格を取るという、ある意味で正面突破の方法が出てこないのは、何か(主に制度面なのだろう)が歪んでいるのではないかという気がする*4。もちろん、実際にやろうとすると、色々な意味でものすごく難しい。そのことは、それを実際体験した側として理解していないわけではないけど。

 

むしろ、そういう選択肢が出てこない理由は、ハードルの高さと費用対効果が合わないということなのではないかと思う*5

 

これらの点については、かつてエントリにしたことがあるので、一応メモしておく。エントリ作成時点からこちらの立ち位置は変化しているが、現時点でのこちらの認識は、当時からは変わっていない。

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それと、実際、無資格で企業内法務のキャリアをこれから考えるとなると、有資格者が企業内に増えている状況からすれば、何らかの戦略性と危機意識がないと危険かもしれない。資格の有無と実務能力との間にどこまでの相関関係があるかは不明確なところがあるうえ、そのような状況になることが良いこととは思っていない*6。とはいえ、そう考える方が安全なのも事実だろう。他部署への異動の可能性に備えた知見の蓄積や、法務領域を超えた*7、より広い領域を担当できるように知見を蓄積する、逆に特定の狭い領域の知見を高める*8、マネジメントに特化する、などの対応が想定されるのだろう。

 

最後に、司法試験や修習が企業法務に役に立たないという趣旨の呟き*9に接した。この種の言辞は、修習生によく見られるところである。この点についても、修習については一度エントリを書いたのだった。オフィスに戻ったら、地検ががさ入れに来ていた、なんて経験があったら、司法試験や修習が役に立たないなどということは言えないと思うのだが...。刑事でなくても取締法規違反などへの対応では刑事事件の経験から類推可能なことはあるとも思うので...。

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*1:こういう表現は好みではないが、その他に適切な表現もないのでこの表現を本エントリでも使う。

*2:だからこそ斯様なエントリをあげようと思うのだが。

*3:戦士さんの呟きにも同意する。

*4:もちろん、エントリを書いている方を批難するものではない。

*5:僕が取った手段は、匿名性維持の観点から詳細は伏せるが、僕自身及び周囲についての当時の固有の状況を最大限に利用したので、現時点では再現不能である部分があり、今からは模倣できない。自分が出来たから他人も出来るはずというようなことを言うつもりはないし、そういうことは言うべきではないと考える。

*6:有資格者の自分にとってはブーメランのように帰ってくるだがそう思う。こちらの今年の裏企画のエントリにも書いたように弊害すらもあり得ることは留意が必要な気がする。また、TL上で拝見する諸先輩を想起すると資格なしでも優れた働きができることは多言を要さないと考える。

*7:そもそもどこまでが法務領域かは各社の状況によって異なることにも留意が必要と考える。

*8:この点については、こちらの呟きを参照のこと。

*9:発言主に文句を言う趣旨ではないのでリンクはしない。なお、当該呟きへの批判に対して、他にも役に立つことがあるから時間の使い方として云々という反論があったが、ゼロイチの話をしているところで、他の時間の使い方との比較を持ち出すのが反論として適切なのかについては個人的には疑問に感じた旨も付言しておく。