何のことやら。益体もないメモ。
時として、ある取引のアレンジ・スキームに適法性そのほかの面で疑義があり*1、その変更を進言したところ、「他では問題なくできたのに、なぜ変更しなければならないのか」というような押し返しを受けることがある。幸か不幸かこの種の事態に遭遇したのは一度だけの話ではない*2。このようなときにどう対応すべきか。思いつくことをメモしてみる。いくつかに場合分けをしてみよう*3。
- 相手の言い分に従うことを考える。考えたくない方から考えてみよう。企業内においては、社内政治的な観点からこちらの選択肢しか取り得ないことも想定可能であろう。
- こちらの見解に誤りがあった場合。不快かもしれないがこの可能性はまず最初に考えておくべきだろう。この辺りは外部専門家の意見を取得したり、それを複数取る*4ことで、一定程度対応が可能だろう。仮に誤りがあったとしても、古来、過ちを改めるのに遅すぎることはない、ということを念頭において相応の対応をすることになろう。
- こちらの見解には誤りはなかった場合。ある種の妥協を試みることになるだろう。
- こちらの言い分を維持する。自社のスタンスに不適切な点がなく、相手の物言いについて、何らかの点が自社にとって受け入れがたい場合はこちらになろう。
- 相手の言い分等を変えさせる。まずはこちらを考えることになろう。相手方が個人で、アドバイザー(弁護士、会計士、税理士等)とかいる場合には、当該アドバイザーと自社又は自社のアドバイザーで話をしてもらうというのは、良く思いつくところであろう。もっとも、話をしても何も変わらない可能性もあることには留意が必要だろう。ここでこちらの論拠となり得るのは次の点だろうか。
- 相手の想定と目の前のアレンジに実は何らかの差異があることが認識されていない。
- 規制状況の差異:法令などの規制が異なる可能性は想定すべきだろう。時の経過で規制が変わることも想定すべきだろう。
- 前提条件の差異:隠れた前提が認識されていない可能性もあろう。
- 相手の想定と目の前のアレンジに実は何らかの差異があることが認識されていない。
- 相手の言い分が変わらないとき。
- アレンジを見た目上変える。姑息な手であるが、何らかのアレンジ替えで当面の問題を回避できるのであれば、考慮に値するのではないか。もちろん、当該アレンジ替えに問題がないかは別途慎重な検討が必要になること、及び、当該アレンジ替えに伴う意思決定には後で問題が生じたときに備えて記録化を丁寧に進める必要がある。
- アレンジそのものを取りやめる。ある意味で最後の手だが、考慮対象から外すべきではないのだろう。もちろん取りやめに伴う対応に際しては慎重な検討と意思決定過程を丁寧に記録化しておくことが必要になろう。
- 相手の言い分等を変えさせる。まずはこちらを考えることになろう。相手方が個人で、アドバイザー(弁護士、会計士、税理士等)とかいる場合には、当該アドバイザーと自社又は自社のアドバイザーで話をしてもらうというのは、良く思いつくところであろう。もっとも、話をしても何も変わらない可能性もあることには留意が必要だろう。ここでこちらの論拠となり得るのは次の点だろうか。