再生コンサルティングの質を高める 事業デューデリジェンスの実務入門 / 寺嶋直史 (著)

一通り目を通したので感想をメモ。まだ実務補習・従事をしていないが、中小企業診断士の実務補習・従事前には必ず目を通しておいて、座右に置くべき一冊と感じた。

 

遅まきながら、ではあるが、中小企業診断士登録に必要な実務補習を受けることになった。本業の予定との調整等に手間取ったからなので、仕方がない。

 

本書は診断士のオンラインの勉強会で先に合格された方から勧められたもので、なぜかlegal libraryでも読めるのだが、じっくり読むには僕にとっては紙の本が良いので紙の本で購入した次第。

 

診断士で事業再生に取り組まれている著者*1が事業再生のためのデューデリジェンスの実務について解説をされている本、というところになろうか。

 

デューデリジェンスについては、本業で、M&Aでの法務DDについては、それなりの経験はさせていただいたつもりだが*2、そのほかの分野のDDについては、それほど知見があるわけでもないし、事業再生の文脈でのそれについては、何も知らない。

 

ともあれ、実務補習では8日間で一定のレポートを出すことが求められ、それほど広範にヒアリングができるわけでもないと想定され、その限りでは事業デューデリジェンスと重なる部分があると思う。実務補習ではテキストも配られるが、そこでは、どう手を動かして進めていけばいいのかについては、あまり説明がないように感じる。指導担当が指導するからという前提なのかもしれないが、受ける側からすれば不安が残る。その点に対し、本書は、短期間でまとまった事業再生に役立つ(実務補習の範囲でもおそらく役に立つ)レポートを書くための具体的な手順を、最終的な報告書の形を前提に、ステップを細かく分けて解説している(フォーマットも提供してくれているのが親切)。分析手法などについては、事業再生の文脈で、迅速かつ密航性を要するところで、実務的に割り切った形で解説してくれる。途中途中に出てくる実例も、如何にもありそうな感じになっていて、実務補習でどういう動き方をすればよいか、具体的なイメージを持ちやすく感じられる。実務補習でも、その後の実務でも参考になるのではないかと感じられる内容になっている。

 

いずれにしても、実務補習(従事も同様だろう)を受ける前には必ず一読し、補習時には手元において、不明点を調べるのに使うべき一冊ではないかと感じた次第*3

*1:診断士受験生向けには黄金手順を出されている。

*2:規模の小さい案件では契約書のレビューやマネジメントインタビューもやらせてもらったことがある。

*3:おそらく実務においても座右に置くべきなのだろうと思うが、まだ実務をしていないので、そこまでは断言できない。