例によって近所の図書館で借りて一通り目を通したので、感想をメモ。
サンデー毎日の連載を一年分まとめて一冊に、というのが、連載量の半減で厳しくなったので、不足分を映画のコラムで埋めて、一年分という形は守ったというところだろうか。これまでそうだったように、ある種のクロニクル(年代記)となることを優先したのだろう。ご本人の中でも、ある種の一年のリズムのようなものがあって、それを保とうとしたのかもしれない、とも思ったりもする。
昨年分は、連載の体裁が変わったのにご本人がうまく適応できていなかったのか、なんだか内容がおとなしくてつまらなかったようにも感じたのだが、今回分は、量の足りなさ、物足りなさはやはりあっても、内容面ではそういうことは感じなかった。こちらがそういう状態に慣れただけなのかもしれないが。前半の連載では、ご自身や周囲の体調や病気に関するネタは増えたような気はするけど(ご自身のご年齢が80歳近いはずとすれば当然だろう。)、それ以外の時事や日常への視線も相変わらずで、驚き方やその表現ぶりも相変わらすという気がした。ご年齢を考えるとそれだけでもすごいと思うのだが。後半の映画系のコラムについては、興味もないし内容はからっきしわからないが、中野さんが楽しそうに書いているように見えるのは好ましく感じた。
それにしても、連載一年分と、他のコラムで一冊に仕立てるというのも、いつまでできるのやら、という気もする。どこまで他の連載をお持ちなのかはわからないが、そのうち組み合わせる他のコラムがネタ切れになるんではなかろうか。まあ、こちらがそんな心配をしても仕方がないのだが。
今年つまらなかったら、もう読むのをやめようかとも思っていたが、そこまでではなかった。なので、ここまで来たら、雑誌の発行が続き(ここからしてハードルが高いかもしれないが)、連載が続き、単行本が出る限り、読み続けたいと思う。場所の関係で図書館で借りる形になるかもしれないが。小林信彦さんの週刊文春での連載が終わった後、こういう連載で、読み続けようと思うものには、出会わないかもしれないし。長らく伴走してきたというところもあって、読まないと落ち着かないと感じるところもないわけではないし。こちらが先にお陀仏になって、読めなくならないよう、気を付けないといけないとも思ったりする。
