興味深い訴訟、と言ってよいのか…。

興味深いという表現をしてよいのかどうかわからないけど、気になる記事だったのでメモ(こちら経由で見た。目を通した記事のまとめ、というのは興味深い形のまとめ方という気がしている)。

 

note.com

 

アマゾンのマーケットプレイス経由で購入したモバイルバッテリーの欠陥で火災が起き、被害*1を受けた著者が、当該モバイルバッテリー製造元からは十分な賠償が得られなかったことから、プラットフォームであるアマゾンに商品の確認義務などの違反による損害賠償を求めるものとのこと。こうした訴訟を通じて、消費者保護のためにプラットフォーム事業者に義務を課す制度変更を求めることも視野にいれているとのこと。

 

個人的には、基本的には極力実店舗で買うという方針であるし、ネット経由にしても、アマゾンは諸々不安があるので、極力避けるという方針で生きているので、この種のトラブルは遠いところの出来事という感もある。

 

とはいえ、斯様な方針は万人向けではなく、消費者保護という観点からすれば、外国の業者に対しては、消費者としてはクレームしづらいことも考えると、間に立つプラットフォーマーに一定の責任を求めてもよいのだろう。製造物責任法での輸入者の責任についての規定とかを考えると別におかしな話ではないと思うし、プラットフォーマーがプラットフォームを維持することで利益を得ているはずだから、利益に見合う責任を求めることもおかしな話ではないだろう。

 

本件が興味深いのは、消費者庁でのプラットフォーマーの責任の検討会で既に話題に上がっているなど、制度変更との距離が近いと思われるところ。その点が、その手のお題目を浮かべるその他の訴訟とは異なるところなのではなかろうか。本件訴訟の帰趨次第で、実際に制度変更が実現するところが見られるかもしれない。

 

もう一つ、興味深く感じたのが続報の次のエントリ。クラウドファンディング業者がアマゾンに「忖度」しているようにも見えるし、そこまで「忖度」されるくらいの地位があるなら、地位相応の責任の負担を求めても良いのではないかという気もしてくる。

note.com

 

そんなこんなを考えると、先行きが気になる訴訟という次第。若干の支援もさせていただく予定。上記の2つのnote以外の次のものも、興味深い。

note.com

note.com

note.com

 

 

 

*1:こちらの記事によれば被害額は1千万円を超えたとのこと。ただし、保険の適用などでカバーされた部分もあって、「実害」は数百万とのこと。いずれにしても個人にとっては多額であることには間違いない。