ハブになる時

何のことやら。呟いたことを基に、例によって体感に基づく*1、雑駁なメモ*2

 

企業内法務*3が案件を進める上でのハブになることについてのTL上での議論に接したので*4、こちらの現時点での考えをメモしてみる。

 

企業内法務が案件を進めるための推進役としてのハブになる*5、というのは、時にあり得ることで、こちらもしたことがないわけではない。ただ、常にそうあるべきかというと、そういうことではないし、むしろ他の部署がハブになるべき場合の方が多いだろうとは思う。事業そのものについての話では、事業の中身(商品役務の企画設計や販路、採算性等)を企画検討する部署が進める方が望ましいのは言うまでもない。他方で、M&Aのような機関法務系の案件では、企業内法務がその種の役回りを担う余地が相対的に多くなるのではないかと感じる。そして、仮に、企業内法務がその種の役割を担う場合には、契約書や稟議書のチェックを通じて、ということが多いのではないかと感じる。

 

仮にそういう役回りを担うのであれば、そうした役回りを担う過程を通じて学ぶことも多いだろうし、社内でのネットワーク形成にも役立ち得て、企業内法務の存在感を高めることが可能になるかもしれないので、大変ではあるものの、担う価値があることも相応にあるだろうと思う。他方で、担うべきかというと、そこは、個別具体的な状況次第と感じる。前記のように案件の性質によるところや、業態、組織構造、その他の部署との社内的な力関係、他部署の人員の能力や経験値分布というあたり次第で、誰が担うべきかということが決まってくるのではないかと思う。事業そのものについての案件の場合は、事業部門側の人員の能力や経験値で対応できる場合も多いかもしれないが、M&A等の場合は、企業内法務以外の人員の能力・経験値が不足していて、企業内法務部門にその種の役回りを担うことが求められる場合もあるかもしれない。

 

また、企業内法務がその種の役割を担うことで生じ得る弊害を考える必要もあると思う。仮にその種の役割を引き受けるとしても、意識しておく必要があると思うので。想定可能なものとしては、特に事業系の話については、当の事業部門の責任感が希薄化して、主体的に事業を運営しなくなる可能性もあると考える*6。事業部門から仮に依頼があったとしても、引き受けることについては慎重であるべきかもしれない*7

*1:それ故に異論反論があり得るのは言うまでもない。

*2:脳裏を甲斐バンドがよぎったのは内緒。

*3:例によって、機能としてのそれであって、名称は問わない。

*4:もともとは幅野先生のジェネコ本でハブ機能の話が出てきたからかもしれない。こちらも同書への感想のエントリの中でその点につき、若干のコメントをした。

*5:単なる情報の横展開を超えて、という事であることに注意。

*6:内在しているリスクが高い案件であれば、責任転嫁の手段としてその種の対応をされる可能性も想定しておくべきかもしれない。

*7:企業内法務にとっての「依頼者」は企業それ自体であって、目の前にいる事業部門とは等価とは限らないことには、常に注意が必要と考える。