社内営業ねえ...

例によって呟いたことを基に、いくつかのことをメモ。

 

企業内法務の社内営業の必要性、みたいな話がTL上にあったので、若干のメモを。

 

部署の席に座っているだけで、相談が来て、それに対応していれば、それでOK*1というのは、このご時勢なかなかなさそうな気もする。そういう意味で、社内営業、ということをした方がよいのではないかという指摘が出るのも当然という気がする。

 

とはいえ、そこでいう営業とは何か。社外でないので、別に幇間のようなことを事業部門に対してする必要はないだろう。そうなると何をするのか。この点、経験豊富な歴戦の勇士の大先輩から次のようなお言葉を賜った。

 

こちらのような小者がこれ以上のことを繰り返すまでもないのだが、一旦かかわった案件について、その後をフォローするというのも立派な「営業」だと思う。事業部門側から、積極的に、相談した「その後」を連絡してくるということは、彼らが忙しいことを考えると期待しずらい。そうやって聞いて回ることで、次の相談が出てきて、それにこたえることで全社で見たときのリスク低減につながる可能性もある。これを立派な「営業」と言わずして何を「営業」というのか、という気もする。

 

もちろん、もっと積極的な情報発信をすることも考えられるし、そういうことをされている先生のお話もネットで探すと出てくる。とはいえ、それはそれでリソースを使う話なので、そこまでする余裕がない場合もよくあることと考える。そういう場合でも、上記のような程度の活動でも十分「営業」足り得ることは留意しておく必要があると考える。

 

他方で、こういう行為に問題がないかというと、別の考え方もあり得るような気がしている。法務が各事業部門などに、依頼を受けてもいないのに接触すると、社内警察みたいに見られる危険があるのではないかという懸念もないわけではない。かつての勤務先で、製造現場に打ち合わせに出向いた時に、当該現場の用向き先以外の部署の人から、「法務が来ているということは、何かもめごとでもあったの?」という質問をうけたことがある。こうした質問の裏に先に述べたような受け止め方があるのではないかという気もしないでもない。こういう見方は払拭しておいた方が、本気の内部調査案件のときとかに、目立たなくてよいのだが、遠隔地の工場の場合は、そうそう頻繁にもいけないので、なかなか難しいと感じるところである。

 

 

*1:状況によってはそれすら大変なのは言うまでもない。