一通り目を通したので感想をメモ。この分野の「最初の一冊」としては非常に良いと感じた。
技評の60分でわかる!シリーズの一冊。見開きで左側のページに説明と右側ページに図表と囲みのまとめ、で1テーマを解説という構成。著者は、この分野のブティックファームであり、最近拡大著しい池田・染谷法律事務所で、所轄官庁で働かれた経験のある事務所代表の染谷先生が編著者。事務所のイメージカラーのオレンジが随所に使われていて*1、事務所のブランディングとも整合性があるように見えるのも印象的。
この構成の場合、図表の使い方や解説ページでの強調表示の付け方が肝と感じており、法律分野でのプレゼンになれた今時の事務所の手によるものははずれが少ないという気がしている*2。本書でも、図表でのフロチャートの使い方、チェックリスト(末尾の表示のもの等)等が上手で、有用そうに見える。直近の状況(2024/9/30現在と、基準日の記載があるのも地味に良いと感じる。)を踏まえた解説も平易で、この分野の「最初の一冊」としてもよいと考える。脚注とかがほとんどなく、条文番号とかが記載されていない等法律書らしさが強くないので*3、事業部門の方々への研修テキストとして使うのもあり得るのかもしれない。入門書として競合するとすれば公取の「はじめて学ぶ景表法」だが、かの本よりも多色刷りで図表などで、内容が記憶に残りやすいと思われる点では本書のほうが優れていると考える*4。
あえて難癖をつければ、情報源として消費者庁のサイト等は示されているものの、入門書の先を示す読書案内等を欠いている点だろうが、紙幅の制約からすればやむを得ないのではないかと思われる。
ともあれ、この分野の「最初の一冊」という意味で優れていると思われるので、今後も適宜のタイミングで改訂され、長く読み継がれることを願うばかりである。
