例によって目を通したところについて、呟いたことを基に箇条書きで感想をメモ*1。
- 巻頭言はやや尻切れトンボ感があった。
- 法学のアントレは当初のモチベーションは必ずしも高くなくても縁と導きを活かして行けば道は開けることもあるという点で示唆に富んでいる気がした。
- 特集は民訴。
各原稿の読みどころの紹介のあとは、法人でない社団の当事者能力。任意的訴訟担当構成は一つの考え方なのだろう。
一部請求は可否についての各説をみると判例が妥当に見えてくる。
主張事実・間接事実・補助事実は、このあたりは、用語の定義からして、不明瞭なところがあるような気がしているが、何とかならないのかと思う。
裁判上の自白は、そういう話あったよねと思いながら読む。
既判力の客観的範囲と判決理由中の判断は、既判力は判決理由中の判断に及ばないという点の再検討の必要性の指摘が興味深く感じた。
当事者参加は、多数当事者の話はいつも混乱する。普段訴訟をしないから、たまに見るだけなので余計にそうなっているのかもしれない。目を通したときはわかった気になるが、すぐに忘れる。
特集は、普段訴訟から縁遠いこともあり、色々忘れていたり、そもそも受験生時代に十分理解できていなかったりしたことが多いのを改めて感じた(汗)。 - 時の問題。
日本版DBSの件は、司法試験の問題になりそうな話だなと思って読む。更生を妨げられない利益というのは考えたことがなかったので、なるほどと思う。
食品分野における科学技術の活用と安全性の確保は、リスク評価についての日本とEUの考え方の違いなどが興味深い。 - 講座。憲法は休載。
行政法は君が代予防訴訟が題材。当該判例への批判や学生Eからの指摘に納得。
民法は使用者責任と求償。代位責任=固有責任構成のほうが良いと感じる。使用者固有の責任負担部分があるべきと考えるので。
会社法の時計は、株式の譲渡制限。制度自体に大きな変遷があることは知らなかったので興味深く拝読。
民事執行・保全の考え方は債務名義、請求異議の訴え。知らない話が多い。公正証書を債務名義としたときの扱いが興味深い。
刑法の詐欺罪をめぐる要件解釈と処罰範囲の規律は、詐欺罪の成否の検討時には複数の観点からの検討が重要と改めて感じた。
刑訴は被告人の自白。現行法に至るまでの経緯や有罪答弁制度導入に向けた課題の指摘が興味深く感じた。 - 演習。
憲法は予防原則についての説明になるほどと思う。
行政法。国賠違法のあたり。公立学校の教員の体罰が国賠の対象になるというのは言われてみればそうか、という感じ。あまり考えたことがなかった。
民法。二重譲渡の双方について単なる通知がされた場合の扱いは、事後に第三者要件具備の余地がある以上は、解説に書かれているような扱いになるのは納得するところ。
商法。経営判断原則についての解説やステップアップでの問いが興味深く感じた。後者については考えたことがなかった。
民訴は処分権主義。一部認容判決のあたりは、混乱して判断を間違う(ダメ)等。
刑法は業務妨害罪。軽犯罪法で他人の業務を悪戯で妨害する罪があるのは知らなかった。
刑訴。訴因変更。H13最判とか、こういうのあったねと思い出す程度。
レポートは国際法。勉強したことのない分野ということもあり、論点の導き方や論点それ自体が興味深い。 - 判例セレクト。
憲法の旧優生保護法国家賠償請求訴訟は解説の2の最後で指摘される憲法学が無視すべきでない責任問題の指摘は重いと感じた。
行政法のメリット制の件(詳細略)は何をどこで争うかという争い方が難しいなと感じた。
民法の旧優生保護法訴訟—改正前民法724条後段の除斥期間に対する例外は、除斥期間だけどその主張を信義則違反とせずに消滅時効と理解したらどう違いが生じるか気になった。
不起訴合意の有効性と献金勧誘行為の違法性は、不起訴合意の一般的判断枠組みの最後が総合考慮となっているのが、個別事案の判断の妥当性は確保できるのかもしれない反面で、当事者の予測可能性を害さないか気になった。
退職慰労金の減額規定の趣旨と取締役会の裁量権では、マルス条項という表現に初めて接した。
民訴の宗教法人とその信者との間において締結された不起訴の合意が公序良俗に反し無効であるとされた事例は民法の事件と同じ事件だが、不起訴合意そのものに焦点があたっている。訴訟の全面的排除をもたらす合意の効力を否定する見解があるのは知らなかった。
刑法の「強取」と「窃取」の限界は、確かに限界事例という感じ。解説で示された区別についての考え方は個人的には納得できるものと感じた。
刑訴の捜索・差押えの際の電話使用の制限は弁護人依頼権の侵害にならないという評価でいいのか疑義があるような気がした。
