月刊法学教室 2023年 11 月号

例によって呟いたことを基に箇条書きで感想をメモ。諸般の事情で全部は目を通せなかった(汗)。

  • 巻頭言は、牧野新聞コレクションの話と末尾の予告が興味深かった(そこかよ)。
  • 法学のアントレ。正直よくわからなかった。
  • 学校をホウガクするは校則。フラットに物事を考えすぎでは?と感じた。私立校と公立校とで校則について正当化可能な範囲が異なり得るとか、あると思うけど、その辺が出てこないと議論が粗雑に過ぎる様にも見えてしまったのだけど。
  • 特集は民事訴訟法学の近時の展開。
    松下先生のイントロの文章の後は民事訴訟のIT化と民事訴訟法学。送達についての従来の議論がIT化とどう関係するかの解説が、訴訟実務から縁遠い身としては興味深く感じられた。
    任意的訴訟担当と授権は、その他の制度との比較表が秀逸な気がした。授権については、考えたこともなかったので、なるほどと思いつつ読む。
    弁論の分離可能性は、そういうのあったよな(汗)と思いつつ読む。相殺による清算的調整を図る要請は確かに請負以外にもあるはずなので、その種の議論の射程がどこまで及ぶかが気になった。口頭弁論終結後の承継人への既判力の拡張は、いろいろな説があることも知らなかったので、面喰う。
    独立当事者参加訴訟における二当事者間の和解の可能性については、確かに一律無効説では適切ではないのだろうが、残り2説のうち、一律有効性は思い切りが良すぎる気がして大丈夫かという気になる。
    特集は、普段民訴から縁遠いことを改めて実感させてくれたという感じ。気を付けないと。
  • 判例クローズアップは市庁舎前「広場」での集会規制の最判について。宇賀反対意見での法廷意見批判とVで紹介されている指摘に納得。
  • 講座。
    憲法は、徳島市公安条例事件判決の地方分権改革を踏まえた再解釈についての記載が興味深かった。
    行政法は、判断過程審査を4つの局面に分けて理解するのは、あまり意識できていなかったので、なるほどと思いながら読む。
    民法。2つの判決における過失の推定の意義の分析が興味深かった。「推定」といっても何を推定しているのかも考える必要があると感じた。
    民訴。訴訟継続中の当事者の交代・追加等。参加承継・引受承継、共同訴訟参加、補助参加というあたりは、実例に接したことが少ないこともあって、受験生時代から苦手で、今でもよくわからないという印象が残った。
    刑法。過失版の共同正犯の成否。共同義務の共同違反というのは、分かるようでわからない気がした。
    刑訴。被疑者の防御。憲法38条1項と米連邦憲法第5修正との表現ぶりの差異による違いが興味深いが、日本では被疑者の防御手段が少ないのではないかという気がする。