…のようなもの?

雑駁な思いつきをメモ*1。思いつきなので、その内容の真偽・当否は不明である点を予め書き添えておく。

 

ある公取リリースを見た。要するに預けていた木型を使った発注を行う予定がないのに下請業者に無償で木型を長期間預けていたのが下請法で禁じている「不当な経済上の利益提供」に当たるという話のようである。

 

公取中小企業庁下請法のテキストにも、金型について次のような記載があることからすれば、そりゃそうなるよなという話になると思われる。

Q94: 部品の製造を委託している下請事業者に対し、当社が所有する金型の保管を委託しているが、不当な経済上の利益の提供要請に該当するか。
A: 金型の製造を委託した後、親事業者が所有する当該金型を下請事業者に預けて、部品等の製造を委託している場合に、部品等の製造を大量に発注する時期を終えた後、親事業者が下請事業者に対し部品の発注を長期間行わない事態となることがある。このような場合に、親事業者が自己のために、その金型を下請事業者に無償で保管させることや、金型の保管のために要する費用(例えば、倉庫保管料、倉庫等への運送費、メンテナンス費用等)を負担させることは、不当な経済上の利益の提供要請に該当するおそれがある。 

 

ここで一つ気になることがある。

木型や金型等は、ものによってはそれなりに大きかったりするので、保管スペースを食うこともある。それにも関わらず、それを使用する用事もないのに無償で預けることには、預かる側にはメリットが無いようにも見える。しかし、本当だろうか。力関係で預からざるをえない場合があり、そういう場合に対する対処として下請法の上記規定があるのもわかるのだが、それだけなのだろうか、というのが疑問。

 

木型とか金型は、それを使って作るときには、それなしには作れないのが通常と思われる。預けている側が、その型を使う部品などを作ろうと思ったら、預けている側に作ってもらうか、その型を受けだして、別の誰かに作ってもらうことになる。そうなると、型を現実に占有していて、受けだすのを拒否すれば、製品を作りたい側は預かっている側に発注をしなければならなくなるのではなかろうか。納期がタイトであれば、そのあたりで揉めている余裕がないこともあろう。

 

そういうことを考えると、型を預かっていることには、預かっている側にとってもメリットがあるという議論にならないのだろうかと考える。発注がなされた場合における優先的受注権、つまり、ある種のオプションのようなものという見方ができないかと考える。そして、そのオプションの対価と型を預かる賃料(場所代)とを相殺するという形をとることで、結果的に下請法違反とはならないという整理ができたりしないのだろうか。

 

・・・ただの粗雑な思いつきなのだが、自分の備忘のためにメモしておく。

 

 

 

 

*1:前に書いたかもしれないと思ったが、エントリでは見つからなかった。つぶやきも含め、同種の内容を書いたことがあったかもしれないが、その時はご指摘いただければと思う。