稟議についてのメモ

呟いたことを基に雑駁なメモ*1

 

色々あって、稟議について考えていた。稟議という仕組みは現在及び過去の勤務先の日系企業*2において存在するのだが、稟議において決裁される書類に何が書かれていなければならないのか、というのがこちらの疑問*3

おそらく、その稟議で決裁される判断が経営判断原則の下で保護されることを確実ならしめる内容が必要という気がするものの、それ以上何がどう書かれているべきかがよくわからない気がしている。

この点で、手続きと内容とに区分し、リスクに応じて事前に定めた手続きをクリアすることを課し、その過程で様々な観点からの審査を経ることで内容の適正を確保する、という指摘をいただいた。なるほど、と思う反面で、手続きと内容が截然と区別可能なものなのかが、よくわからない気がする。

形式的に手続きを終えたかの如き外見を整えても、内実が伴っていないとおそらく経営判断原則による保護されないだろうから、その意味では両者を截然とは区分しきれないのではないかと感じるし、そうした手続きの定め方も簡単ではないのではないかと思われる。

また、稟議の過程に関わる人員の流動性や質のばらつきを考えると、複雑過ぎる仕組みや、規範的要件のようなものに基づく、判断のために特定の能力を要する仕組みは、それ自体がリスク要因になりかねないし、担い手の能力依存の仕組みは、持続可能性という意味でも問題があるようにも感じる。

そんなこんなを考えると、こうした過程については、ある種の定性的な標準化が図られても良いのではないかとも感じる(ここは正直それほど自身があるわけではない。)。組織のあり方によるバリエーションはあったとしても、過程そのものに独自性を求めるところではないと思うので。むしろ担い手の流動性を考えると、標準化している方が、日本企業の総体としての内部統制の質が上がるのではないかと考える。

 

 

*1:以下の内容についてはこちらの呟きに反応していただいた経文威武先輩とronnor御大その他の皆様に感謝を申し上げる次第。もちろん文責はこちらにあるのは言うまでもない。

*2:外資でも類似のものがあったが、こちらの経験社数不足もあり、一旦脇に置く

*3:会社法の下でどうあるべきかという話はおそらく内部統制の本とかを紐解く必要がありそうだし、稟議それ自体については、行政学とか経営史の分野の本を調べないといけなさそうである。なかなか難しそうな気がする。