本日の何だか(2022/5/23)

呟いたことを基にメモ。

 

昨今電子計算機使用詐欺で話題となり*1、直近では意外とも思われる方法で金銭が回収された某件については、お金を回収するなら、どこからなら回収が出来そうかということから逆算して考えたのではなかろうかと感じた。

 

そこで思い出したのが、初職での某エライヒトから言われた話。不良債権の処理に複数の関わられた経験がある方の言葉だったこともあって、印象に残っている。曰く、手元不如意の抗弁はある意味で最強で、お金のないところから回収はできない*2。そういう相手から回収を考えることに固執すべきではなく、寧ろ、お金のある、支払能力のあるところからどうやって回収するかを考えるべきであり、そこからの回収を可能ならしめる理屈を考えるのが重要ということだった。その意味で、契約書を捲く時点であれば、その関係先からの契約代金を如何にして可能にするか、そのための手当てを考えておく必要があり、契約相手の財産状況の調査も踏まえて、いざというときの備えを用意しておけ、ということであった。

 

この種の発想からすれば、件の事案でも、問題の人間からの債権回収が困難そうであれば、かの人の関係先で、そこからの回収の可能性があるところはどこなのか、如何なる誘因が当該関係先に働くのか、ということを考えることで、回収につなげることが出来たのであろうと考える。見ようによっては、そういうところにある種の「創造性」を見出すこともでき、ある種「後ろ向き」に見える案件でも、取り組むことの妙味も見出せるのではないかと感じる*3

 

*1:件の罪が成立するのかについては、ネット上で様々な意見が出ており、正直よくわからない気がしている。ただ、井田先生のこちらの呟きには納得できるものを感じた。なお、こちらは基本刑法で受験を乗り切ったので、かの先生の表現によれば脳みそが信州一味噌に変質しているようである。

*2:ホントに「ない」かどうかの吟味は別途いるのだろう。

*3:だからと言って自分がこの種の案件に関与したいかと言われれば答えは否なのだけど。