わかれうたの歌い方

みゆきさんの歌を想起しつつ、呟いたことを基にメモ。

 

某所で某大手商社を退職してベンチャーに行くという方の退職エントリが話題になっていたので読んでみた*1。個人名を明示したアカウントで、退社する商社名や次に入るベンチャー企業名を明らかにしつつ、当該商社におけるパワハラの存在や、内部での「不満分子」の存在を明らかにする等、「後足で砂をかける」と言わんばかりの内容になっているように読める*2

 

著者本人の主観はさておき、当該商社の人事では、このようなエントリが表に出たとなると、何らかの対応をしないわけにはいかないだろう。採用活動にも支障が出るおそれもあるだろうから。記載のパワハラについての一定の調査は必須だろうし、「不満分子」が何らかの危険をもたらす可能性にも対処を検討する必要があるだろう。そういう意味で人事の仕事が増える結果になるのだろう。また、「不満分子」に含まれる方々にとっても、おそらくはこの著者との関係から一定確率で特定される(人的交友関係はそれなりに見られていると考えるべきだろう)であろうから、不利益が及ぶ可能性もないではない。その意味で、当該商社に残る方々にとって「実害」が生じる可能性が高い内容と見ることもできるだろう。

 

また、かの著者が次に行くところについても、かの商社との接点が出来た場合に、何らかの形で実害が生じる可能性があると見るべきだろう。かの商社が日本最大規模の商社の一つであり、色々な形でビジネスを展開していることを考えると、いつどういう形で接点が生じても不思議ではなく、その際に不利益が生じるリスクはそれほど小さいものではないと見た方が良いのではなかろうか。その意味で新しく行く先にとっても、本来回避可能であるリスクを追加的に負う結果になったようにも見える。

 

何より、本人について、それなりのトシにもなって、上記のようなリスクも想定することができないということが明らかになったと見ることもでき、そういったリスク感覚の欠如が将来に悪影響を及ぼす可能性も否定できないように思う。

 

所謂退職エントリについては、エントリを書こうとする時点では、本人が平常心を保ちづらいことが多いと考えられること、及び、上記でもいみじくも例示されているように書き方を誤ると色々なところに害を及ぼす危険を含んでいるため、退職の事実、退職先関係者への感謝、及び次の展開への豊富、以外の内容は書くのを控えた方が無難と思われる。僕自身は匿名であっても、過去には退職時には何もなかったわけではないにしてもこの種の事柄には極力触れないようにしてきた。自分一人の問題ではないからである。

 

いずれにしても、「良い子は真似をしてはいけません」という類のエントリだったと感じるし、本エントリを読まれた方に対しては、同様のことはしないよう強くお勧めする旨メモしておく次第。

*1:流石にここではリンクなどは貼らないでおく。

*2:追記:なお、本エントリで問題にしているのは、件のエントリに記載されている内容ではなく、内容の表現方法の適否であることを付言しておく。当事者の一方的な物言いにすぎず、真実かどうかは精査を要するところ、部外者は精査する能力も権限もない。そこから、内容が真実かどうかはそもそも問題にしようがなく、したがって、その内容の当否も問題としようがないように思われる。