目を通したので感想をメモ。
森山さんの銀塩からデジタルへの過渡期に、路上スナップについて、実際に撮ったもの(コンタクト、所謂べた焼きも含む)とともに、5か所での撮影(うち銀座はデジタル、羽田は(おそらく)カラーフィルム、残りは銀塩の白黒写真)撮影に際して森山氏が語った内容をまとめたもの。
こちらの理解する限り、まずは、撮りたいという欲望を持ち続けて、街を歩く、何でもよく見て、気になったら撮る、というようなあたりが肝と感じた。とはいえ、この辺りは、氏の言説に接したことがあれば、それほど新しいものではないように思う。ただ、それを自覚的持続的に続けることは、自分を顧みると、容易ではないと感じるところ。
本書で個人的に目新しかったのは、森山さんのデジカメへの転換時の対応というところ。モノクロの印画紙のトーンなどへのこだわりがあるかと思ったら、それほどでもなく、使えるもので、できることをしようというスタンスにも見えて、それはそれで、納得できたところ。もっとも、こちらとしては、今だにカラーよりはモノクロの方が氏については、しっくりくるのではあるが。