東弁協叢書 法人破産申立入門/ 三森仁 (監修), 林信行 (編集), 鈴木恵美 (編集), 炭本正二 (編集)

こちらの次に読もうと思っていたが、目を通したので感想をメモ。

弁護士会での研修の資料を基に、基本的な知識の解説の第1部、この種の業務に必要な決算書の読み方の第2部、手続きの流れと実務的なポイントの解説及び書式例等の第3部という構成。200頁程度とコンパクトにまとまっているので目を通しやすいし、手元においておいて、チェックリスト代わり(巻末には徴求資料等のチェックリストも着いている)にも使えるのではないかと思う。法人と個人とでは同じ破産申し立てでもやるべきことが異なる(受任通知を出すタイミングからして異なり得る)ところがあるようなので、法人に特化した形なのはわかりやすくて良いのではないか。

 

入門書ということもあって、突っ込んだところの解説がないのは当然としても、申立代理人としてどこまでのことをすべきか、調査などにどこまでの時間をかけるべきかというあたりの匙加減が見えない気がした。調査などに手間をかけると迅速な申し立ての要請とは矛盾する部分が出てくるのではないかと思うのだけど、管財人に対応を委ねていいのはどこからなんだろうというところが、こちらの経験値不足・勉強不足もあってか、今一つ腹落ちしなかった。個別性の強い話だろうからやむを得ないのだろうけれど。