適時開示実務入門(第2版) / 鈴木 広樹 (著)

感想をメモ。

 

開示周りの実務は、直接関与したことがないので、何だかよくわからないという印象だった。問題になりそうなときは、広報部門に話しておけば後は何とかなるだろうという程度で、彼らにきちんと伝わるべきことが伝わっているかを気を付ける、みたいな感じで対応していた(汗)。

 

流石に事務所のイソ弁になってこれじゃあ…と思って本書を購入して漸く一通り目を通した。開示については、東証の分厚いガイドが手引きになるのだろうけど、アレは通読するにはちょっと厳しいという気がする。本書で全体像を把握したうえで、個別の加太理については、かのガイド等の文献の必要箇所を読むという形の対応が良いのではないかと感じた。

 

弁護士目線だと、上場規程等の条文の適示が少ないという点は不満に感じたが、それ以外は要領よく全体像がまとめられているという印象。よく生じそうな事象について、それぞれについてどういう開示の表現があり得て、その種の表現がなぜ取られるのか、企業内の本音とは別に、現象面から捉えなおしているのが興味深かった。開示の例文も実際にあった開示から取っている(個社の名称が推知しづらいように処理はされているが)ようで、これも興味深かった。