一通り目を通したので感想をメモ。今どきの最新の諸々への言及もあって、この分野の「一冊目」としても選択肢になり得るのではないかと感じた。
技術評論社の「60分で分かる」シリーズ中の1冊として、知財、特に最新の技術に絡むものにも詳しい先生方の手による一冊、ということになろうか。
このシリーズは、法律系の内容でも何冊か出ているが、60分で読める程度(四六版で150頁位か)の分量で、見開きの左に説明、右側に図表での解説というフォーマットで一つのテーマについて解説するという形らしい。分量や形式の制約が大きく、単にその分野に知見が深いというだけではなく、素人向けの説明の端折り方、図表を使った説明の能力が問われているように見受けられる*1。本書はその辺りも巧みで、図表の使い方は、企業内法務などで研修などをする際にも参考になる部分が相応にあるのではないかと思う。前述の分量なので、60分かどうかはさておき、即日目を通すことができた。内容面でも、SNSやウェブサービスでの著作権等の利用上の注意やAIとの付き合い方*2など、今どきの使われ方、というような側面への解説もあるうえ*3、個々の記載も記載の限りでは比較的わかりやすく、とっつきやすさという意味では、本書をこの分野の「一冊目」とするのも一つの手であろう。
他方で気になった点もある。
- 体系だった解説、理論的な解説ではないので*4、著作権法全体の十全な理解のためには、次の一冊が必要となるだろうから、その辺りの案内があってもよかったのではないか。
- 基準日の記載が見受けられないが、判例等の動きがある分野なので、凡例などの記載と共に記載しておいてくれた方がよかったと思う。
- 最後のAI周りの話は、難易度があがったというか、こちらの予備知識不足ゆえに理解しづらく感じた。
