映画『ザ・ビートルズ: Let It Be』

遅まきながら掲題の映画を配信で見たので感想をメモしておく。The Beatlesに関心があるのであれば、見ておくべきだろう。

 

The Beatles自身が作った映画の最後のもの、であり、僕自身は、かつて10代の頃に、ビートルズ・シネ・クラブがスクリーンでこの映画を上映したのを見たことが数回あるが、今回は映像を修復の上での配信。ディズニーに金を払うのは釈然としないものの、見ないという選択肢はなく、見ることにした*1

 

かつて、この映画を30年以上前に見た時の印象は、撮影後ほどなくグループが崩壊したこともあってか、暗く、重いという印象に尽きたのだが*2、今回は、映像が修復されたこともあってか、そこまでの暗さ、重さは感じなかった。

 

他方で、やはり4人が微妙にかみ合っていない気がして、このグループが長くないなという印象は残った。Paulが頑張って状況を打破しようとしているが、残りの3人に響いていないのが見て取れるから、そう感じるのだが。この辺りの詳細は先般公開された”Get Back”の方を見るとよく分かる*3。あちらを見てからこの映画を見ると、諸々の内容がぶつ切りにされて示されていて、分かりづらい気もする。気がつくとBilly Prestonが入っているあたりとか、いきなりroof topに行くあたりとかがそれで、単体で見ていた時にはあまり気にならなかったものの、今回は少し気になった。

 

グループの崩壊はいろいろな事情があってのことというのが*4、当事者以外の視点からの見立てとして適切なのだろう。一番重要なことは、おそらく、少年たちが、家族のいる大人になったということなのだろう。どうしても、諸々のノリが変わることになり、グループとしてその変化にうまく対処できなかったということなのではないかと感じる*5。Johnの配偶者の存在は、仮に印象の悪さが際立ったとしても、そうした要素のうちの一つでしかないのだろう。

 

最後のroof topも含めて、要所はしっかり締めているのと、当然のことながら、彼らがまだ若いので、見ていて悪い気分にはならなかった。Get Backほど長くもないので、彼らに関心があるならば、見ておくべきだろう。

*1:できればDVDはほしいし、スクリーンで上映されるなら、スクリーンで見たいところである。

*2:3人が"I me mine"を弾いている脇でJohnが配偶者とワルツを踊っているシーンは、彼の中でのグループの優先順位の低さを示しているような気がしていて、そうした印象をもっとも強く感じた。

*3:今回の配信の冒頭にこの映画を撮ったマイケル・リンゼイ=ホッグとピーター・ジャクソンの対談があり、Let it beがGet Backの父であるというコメントがあったのが印象的だった。

*4:当時の技術水準では、作った曲がステージで再現できず、ステージで弾いている音が自分たちには聞こえないという状況で、ツアーに出ることもなくなり、その辺りを仕切っていたBrian Epsteinがそのせいもあってか亡くなってしまい、彼らをまとめられる人間が不在となったことなどが考えられるのだろう。

*5:ある種ビジネスと割り切ればよかったのだろう。