こちらを映画館で見たので感想をメモ。以下ネタバレがあるので注意。
このライブについては、最近出たCDを手元においてあるのだが、映像については、大きなスクリーンで見たかったのでDVDでは買わなかった。その映像を映画館で公開するというので、取り急ぎ見に行ってみた。宣伝も比較的控えめに見え、そのせいか、お客さんの入りは控えめに見えた。こちらに近い世代の方が大半だった模様。
野外ライブで、録音状態は正直良くなかった*1。それを、デジタル技術で何とか頑張って改善しようとしているが、ボーカルの分離は正直良くなかった。それでも、彼女の全盛期のボーカルを、彼女のその時点でのハイライトという感じの選曲で一定程度堪能することはできた。やはりロングトーンは圧巻としか言いようがなかった。大半の曲はリアルタイムで耳にした記憶があったが、個人的には、初期のころの曲の方が印象が強いので、それらを慈しむように歌う感じが良かった*2。映像についても、歌い手に徹しているプロの表情と、歌いながら観客に微笑みかけるような「素」の表情が出てくる場面やオフショットとが入り混じっていて、見ていて飽きない。
このライブの後に、例の事件があったりして、結果的に彼女のその後の歩みが難しいものとなってしまったように見えるが*3、彼女がこのライブでの調子をその後も維持し続けていれば、我々はどういう歌を聴くことができたのだろうか、と考えずにはいられなかった。所詮詮無きことと知りつつも。
エンドロールの後に、特別に録音された彼女からのメッセージがあった。映画の冒頭にその旨の通知があった。せっかくなので、今の彼女からのメッセージがあるのは良いのだが、声に力がなく*4、彼女が何らかの形で「復活」するにはまだ時間がかかるのではないかという気がした。いずれにしても、こちらとしては、ご本人の望むような形で、事態が進展することを祈るばかり*5。