リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング

掲題の映画を見たので感想をメモ。ロックンロールに関心があるなら見ておいて損のない映画だと思う。

 

中学生の頃からBeatlesの音楽は聴き続けているが、彼らのルーツというか、彼らに影響を与えた音楽とかには正直疎かった。この数年、その辺りにも興味が出てきて、Isley brothersのCDとかにも手を出してみたりしている。そういう形で遡ると突き当たるうちの一人が、Little Richardで、Long Tall SallyはBeatlesのレパートリーとしても有名なものとなっている。

 

そういうこともあり、この映画についてtwitter (Xとは言わない)で流れた時に見に行かないと、と思って出かけてみた。当然ながら、こちらよりも年上の観客が多かったが、若い方々も相応におられた。

 

本人が相当に自分のことを語っていて、その動画が残っていて、やりたい放題で迫力あるライブの映像も残っているから、そういうものと、関係者のインタビューで、彼の生涯を時系列に沿って振り返る形になっている。Paul McCartneyMick Jagger等が彼に対する敬意を示し、彼の影響を述べているあたりや、今のアーティストが彼の曲をカバーしているのが映画の中で使われたりしているところからも、その影響の大きさがわかるのではなかろうか。"King of Rock'n Roll"とか、ロックンロールの創始者というのも伊達ではなく、今のロックンロールへの道を切り開いた存在なのは確かと感じた。

 

とはいえ、彼のあり様が無から生まれたものではなく、いろいろなものの影響を受けてのことだというのも映画の中では示されていて、これはこれで面白かった。黒人のクイアというとあたりも含めて、興味深いし、1950年代から60年代、70年代とアメリカ社会が変わっていく中で、彼の音楽がどう受け止められたのかというあたりも興味深かった。

 

歌手としては成功したものの、突如として宗教に走って、しばらくするとまた元の音楽に戻るとか、なかなかに振幅の大きな感じで、いろいろな葛藤があったことは想像に難くない。音楽もリアルタイムではそこまで評価されずに、不遇な感もあるが、最後にアメリカン・ミュージック・アウォードの功労賞が送られるシーンは、見ているこちらも、グッと来るものを感じずにはおられなかったし、その際のステージでの若いときと変わらないパフォーマンスも圧巻だった。

 

そんなこんなで、ロックンロールやその歴史に関心があるなら、見ておいて損はない内容になっていると感じた。

 

最後に映画のパンフレット*1と入場時にもらったポストカード(彼の衣装さながらにキラキラしているのが良い。)、それと、映画館で展示してあったものの写真を貼っておく。

 

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*1:内容が濃いので、映画館で見るのであれば、購入すべきと思う。