最近の収穫からー青盤でNow and Thenを聴くー(2023年11月中旬)

今回は書籍は買わなかったので、こういうタイトルで。

 

 

この期に及んで彼らの新曲が出るとは思わなかったが、ついにでたので、収録された青盤とセットで赤盤も買ってみた。アンソロジーより前の公式曲が213曲だったと思うが、2つ併せて70曲余が入っていると、その中での当選(?)確率1/3とかになってしまうので、それで所謂ベスト盤といえるのかは正直疑問が残る。まあ、もともと青盤については、Georgeが選曲に関わっていたようで、彼の曲に甘い選曲になっていないかと感じていたのだが...。

 

で、新曲について。プロモビデオは、古い映像や今の映像もうまく組み合わせていて、曲のプロモビデオとしては良い出来だと思う。最後のお辞儀の部分だけで、「わかってるな」と思わざるを得ない。

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問題の新曲については、個人的には、新しい曲が聴けるうれしさはもちろんあるのだが、それでも、なんだか微妙な印象*1

 

アンソロジー・プロジェクトの時点で出た2曲もそうだが*2、Johnの死後に彼が一人で作った曲を、残りの3人がいじってBeatles名義で出すという発想自体にまず違和感がある。彼の遺族が少なくとも明示的には反対していないとはいえ、本人がそういう行為を許容していたのかよくわからない点がひっかかる。

 

さらに、今回の曲については、どうやらBメロをばっさりと切っているようで*3、切ったのには相応の理由があるだろうが、それもJohnの意思に反していないかも疑問。個人的には切られたと思われる"I do not want to lose you"以下の部分もこれはこれで良いように思うので、余計にそう思う*4

 

まあ、諸々を考えると、こうした話はもうないだろう*5。彼らの文字通りの最後の曲をリアルタイムで聴くことができたのは、良い経験だった。

 

 

*1:あえて言うなら、シングルが、UKチャートでJohnとYokoのバラード以来の1位を獲得、という点には意味があると思う。あの曲が彼らの母国UKでの最後の1位の曲というのはさすがに適切とはいいがたい気がするので。

*2:今回の曲も同時期に手を付けていたが、当時の技術的な限界で完成に至らなかったようで、それが技術の進歩で完成にまでこぎつけることができたという経緯のようだ。

*3:こちらあたりがオリジナルの模様。

*4:”jealous guy”あたりにもつながるような印象があった。

*5:今回の曲のシングルのカップリングがデビュー曲の”Love me do”なのも円環が閉じる感じがして、その点を示しているものと感じる。