60分でわかる! NFTビジネス 超入門 / 森川 ミユキ (著), 弁護士法人GVA法律事務所Web3.0チーム (監修)

ざっと目を通したので感想をメモ。60分で一読は厳しいと思うけど、とりあえずこのあたりの状況がどういう感じか、を見るのには適当なのではないかと思う。

 

NFTというものについては、そもそも何かもわかってない。暗号資産と共に語られることが多いようだけど、暗号資産については必ずしも良いイメージがないことから、一過性の流行りものに過ぎず、敬して遠ざけるというか、興味を持つ対象という認識ではない。とはいえ、突然どこからか、何らかの形で話が降ってくる可能性も否定しがたいので、雰囲気を知る程度のことはしておくべきかという気がしたので、買ってみた。その程度の動機なので、分厚い本を買うのは逆効果。できるだけ薄くて、飽きる前に読み終わるくらいの薄い本が良いということで、本書を手に取った次第。

 

60分でわかる、とあるが、本文が130頁ちょっとあり、見開き2頁で一つのテーマを説明しているのが56個あって、その他コラムもあるので、そもそも60分で、というのは虚偽表示という感がある。見開きで図表があって文字もカラーで、見た目の単調さは避けられているので、こちらのように興味のない人間であっても、投げ出さずに、何とか最後まで目を通せたというところ。

 

現状のビジネス活用例というのは、興味を持たない分野ということもあり、知らない話ばかりだったが、皆さん金儲けの手段を熱心に考えているなと感心するばかり。最初にインターネットに接した前世紀の末頃からすると、世界観が大分変った、という思いを強くした。ネット上で権利を囲い込んで換金するというのは、僕らが最初にインターネットに接したときに感じた自由さとはある意味で反対側にいるという印象が強い。世知辛いというかなんというか。それを嘆く意味はあまりないとしても*1

 

ビジネス紹介の後で、この分野の法律論に関する紹介があり、そこは、弁護士事務所が監修していることもあり、なるほどと思いつつ読む。法律が追い付いていない部分があるのは、法律というのは必然的に後追いになるし、拙速な立法に対して謙抑的にならざるを得ないところからすれば、それはやむを得ないのだろうと感じる。ただ、整備されない限りは、普及しないだろうというところはあるので、その辺りは、関係者の方々におかれては頑張ってください、というべきところなのだろう。

 

*1:また移り変わりの速度を考えると本書の賞味期限はもってあと数か月なのだろうということも感じた。