田中長徳写真展 ウィーンとライカの日々

神田明神並びのgallery bauhausでやっている写真展を見てきたので感想をメモ*1

 

f:id:dtk1970:20220312161517j:plain

チョートクさんのウィーン時代の写真集である「ウィーンとライカの日々」は手元にあるのだけど(上記の写真の下に写っているのが手元にあるもの)、今回は発見されたオリジナルプリント(写真集の基になったもの)+αを展示即売する企画(写真の下に値札があった)。

 

件の写真集自体四半世紀前の本(要するに前世紀に出たもの)だが、中の写真の撮影時期はそこからさらに20年くらい前なので、今からざっと40年以上前の写真が展示されていたことになる。白黒写真であることもあいまって、写されているのは、読めないドイツ語も含め*2、はるか遠い国という印象が強かった。現下の状況では、当時とは別の意味で、距離を感じるわけだが...。

 

また、銀塩の写真ということで、プリントそれ自体にも独自の存在感を感じた。デジタル写真が悪いわけではないが、銀塩写真もそれはそれでいいな、という思いを新たにした*3。それと、写真自体とは別に、コンタクトプリント(べた焼き)も何枚か展示されていた*4。プリントすると決めた駒に印がついていて、この一連のコマの中では、チョートクさんはこれを選んだのか、ということがわかる意味のも興味深かった。

 

会場入り口にある前書き?で、チョートクさんは、ウィーン滞在の前半の時期と後半の時期では自分の視点が異なるということを述べておられた。今回はギャラリーの1階には前半の時期に撮影されたものが展示され、ギャラリーの地階には後半の時期に撮影されたものが展示されていた。僕自身も、両者の間には何か違いがあるようには感じたのだけど、その違いを具体的に認識できず、何か違うなという程度に留まったのは、ちょっと悔しい気がした。写真を観る側としての勉強不足ということなのだろう。この辺りは、ぼちぼちと学んでいくことで解消できれば良いのだけど。

*1:本日は夕方からご本人が在廊されるということだったが、そうなると混雑するのではないかと考えて、その前に見てきた。

*2:大学での第2外国語はドイツ語だったが、既に忘却の彼方にある。もっとも、不勉強な学生だったので、そうでなくても読めなかっただろうが。

*3:という割に銀塩写真で撮ってない。フィルム代も気が付くと高騰しているので、撮れるうちに撮らないという気はするのだが...。

*4:こちらも販売対象となっていたが、写真よりは安くなっていた。