最近の何だか(2021/4/19)

例によって呟いたことを基にメモ。

  • 反社チェックの効率改善みたいな話がTLで出ていたけど、個人的には、反社について定義もしづらいし(そういう閣議決定もあった...)、定義しづらいものの該当性のチェックというのは、それ自体、実効性がないのではないかと思う。それに、暴排条項自体も、そもそもその手の方々の更生とは整合しづらいうえに、合憲性にも疑いがあると踏んでいる。 
  • 契約書は訴訟をにらんでドラフティングをすべきという言説に接したが、訴訟になったことそれ自体で費用負担*1が生じることを考えると、訴訟になった時に備えることよりも、訴訟にならないようにすることの方が優先順位は高くすべきなのではなかろうか。この両者が常に矛盾するわけではないとしても。こちらの、企業の「中の人」の経験からすると、そもそも90%以上の契約書はその内容で揉めないし、訴訟に至ることもない。そして、「外」の弁護士が内容を検討するものはほんの一部でしかない。また、契約書締結は諸々の制約条件の中で締結されるから、文言の検討の余地が時間的にないこともあるし、そのような状況下で文言にこだわって、no dealにしたり、適時にdealが成立しないことのダメージは色々な意味で大きい。そのあたりの間合いを踏まえることは色々な意味で重要と考える。

*1:その最たるものが弁護士費用だろうが、それだけではない。内容次第では、開示や総会での想定問答などの対応も出てくる。