岡田紅陽 富士望景ー武蔵野から

吉祥寺に行ったついでに見た。開催していたのが、吉祥寺のジュンク堂書店のあるコピスの中にある美術館で、本屋のついでに立ち寄ったのだった。

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岡田紅陽という名前は、写真史とかの本に出てきたっけ…という程度の淡い認識だった。しかしながら、今の千円札の裏面にある、富士と桜、の絵の基になる写真を撮るなど、富士の写真家として、往時は有名だったらしい。晩年武蔵野に居を移したということもあって、この場所での展覧会となったとのこと。

 

「ベタ」なネタではあるが、やはり被写体としての富士山の美しさは争いのないところで、今ほど写真技術が発達していなかったことも考えると、これをフィルムに収める苦労はいかばかりか、と思うような迫力のある写真が多かった*1

 

時代が前なので、吉祥寺辺りの都市化も進んでいなかったということで、吉祥寺南口から撮ったとされる富士山の一コマもあって驚いた。町中から撮ったという感じもなかったので、言われなければ吉祥寺から撮ったとは思えないものだった。加えて、チラシにも掲載されている井の頭公園の池を撮ったものも(角度からすれば相当高いところから撮影しているようなのだが一体どこから撮影したのかが気になった…*2。)、独特の雰囲気のある仕上がりになっていて、個人的にはこのシリーズ(3枚展示されていた)が非常に印象に残った。

 

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*1:撮影時の様子を写したものもあったが、どてらに手ぬぐいというもので、何だか笑ってしまった…。

*2:撮影時の1969年時点で既に公園を見下ろす形でマンションが建築されているのでそこの屋上からなのだろう