BLJ2020年4月号

例によって感想を箇条書きでメモ。本号については、個人的には、こちらの現在の興味関心との関係では、イマイチだった(あくまで個人の感想です)。

*いつものアマゾンアフィリエイトのリンクは見つからなかったので貼っていない。

#up後にいくつか加筆した。

 

  • 例によって最初に読むのは二次妻・無双様の記事。某シリーズの評価が鋭くて、購入すべきか悩んでいる人には良いのではないか。ただ、disってるだけではなく、次の版に向けた改善提案が出ているのも素晴らしい。こちらとしても氏の提言する改訂版を読みたいと思う。
  • 裏表紙の某弁護士のコスプレは、購買意欲を減退させる危険があると思うのだが…。この種のサービスは乱立していて、結局どうなるのやら、という印象が拭い去れない。 
  • 法務部門クローズアップは、HD法務部の情報センターとしての機能、というところ(アシモフのFoundationを想起させた。)と、業種の異なる子会社との距離感の取り方が興味深かった。
  • ハーレム連載のNDAの記事は、Residualの扱いについての説明が興味深い*1
  • 中国の駐在員の方々の座談会は、海外勤務の難しさと中国特有の部分と双方の面での大変さが伝わってくる感じがして、読んでいて興味深かった。相手の懐に入ることの重要さは納得。一応1年だけ海外駐在をしたので、その時の経験に照らしても頷けるところ(僕はうまくできなかったが)。
  • 関電の不正の記事は、外からはそう見えるだろうけど、こういう形で断罪しても、何かが解決するようには思えなかった*2
  • 独禁法の道標も、こちらの知見が十分でないので、迂闊なことは言えないが、問題となるおそれのあるデータ収集・利活用もまとめの表は便利そうな気がした。また、白石先生のご指摘は、「日の下に新しきものなし」という言葉を想起させるものであった。
  • 企業のコンプライアンスと不祥事対応、については、ヤメ検の元偉い人のご託宣。内容については、ご説ご尤もだけど、インハウスが企業に相当普及している現状をどこまで理解しているのか、気になった。
  • CCPAの概要などについての記事は、事態が流動的であればこそ、いつ現在の情報に基づく記事か、明記してほしかった。執行リスクが読み切れない感じなのが何よりも不気味な気がしたが、「事業者」定義に該当するかどうかも詳細な検討が必要そうな気がする。
  • GDPRの地理的の範囲は、問題の複雑さの一端を示してくれているが、それよりも個人的には著者の一人の石川先生が5月か6月に西村あさひのドイツにできる同事務所の欧州拠点の代表に就任予定という方が印象に残った。遅きに失した感も感じるけどついに欧州にも進出か…。
  • EUの内部通報者保護指令の記事は、大半が指令自体の翻訳(の要約)で、それ自体の価値はわからないではないけど、結局加盟国の国内法を待たないと具体的な規制内容がわからない状況で敢えて記事にする意味がどこまであったのか、やや疑問。
  • M&Aに契約におけるFCPAなどに関する表明保証事項の解説も、FCPA以外はあまり見たことがないので、売主日本企業と買主欧米企業との交渉における相場観の指摘も含めて、興味深かった。
  • パワハラ指針の記事は、穏当な感じ。
  • データ保護・利活用の記事も穏当なんだろうけど…。前の方をすっかり忘れた。
  • 特集については、思うところあって、スルー。

*1:色々書いては見たが、自分の中で未整理のところがあるので、その部分はup後に消した

*2:この点については、こちらのエントリ、及び、このエントリを書く契機となった戦士さんのエントリを参照