目を通した範囲で、呟いたことを基に益体もない感想を箇条書きでメモ。
- 巻頭言は、馴染みの薄い話で話について行けない気がした。興味なしではないが。
- 法学のアントレは、未来への不安感は共感するものを感じた。
- 特集は刑法解釈における判例と学説。
橋爪先生の特集の意義を示すイントラの文章の後は山口厚先生の刑法における判例と学説。最高裁判事経験者の両者の役割の違いと相互関係の指摘には納得。最後の指摘は弁護士に向けられたものなのだろうか。
業務行為の正当性の判断は、行政法の裁量統制みたいな議論が出てくるのは専門性への配慮からすれば当然なのかもしれない。
事実の錯誤はこちらの不勉強で話について行けない気がした。無念。
誤振込みはH15年最決判旨での説明はやはり苦しいような気がしてきた。立法での解決例は興味深く感じた。
財産版の保護法益は、学説のバラエティの多さにやや驚く。受験生時代に学説周りのところはスルーしていたので(学説問題とかが出た時代ではなかったので、無視してもOKだろうと思っていた)。
背任者における事務処理者の理解についても、受験生時代にさぼっていた部分のツケが回っている感じで、難しいと感じた(汗)。
特集は、判例と学説の相互作用の事例が取り上げられていて、判例はカミ、学説はゴミ、という話もあったが、学説も大事と感じた。 - 判例クローズアップのネットワーク関連発明の越境利用と属地主義では、今後の課題での立法による明確化の動きの解説が興味深く感じた。立法で明確化すべき話だろうとは思うので。
- 時の問題のインサイダー取引規制の現代的課題と未然防止策のあり方は、規制概要がわかりやすくまとめられていると感じた。
- 講座。
憲法は国会・議員の権能(1)で条約や財政に関する権限。予算周りの話は、現下の状況からすれば、重要性が増してくるのかもしれない。
行政法の公務員関係処分の裁量審査—退職手当全部不支給処分—最判令和5・6・27民集77巻5号1049頁では、宇賀反対意見の方が説得力があると感じた。公務員と言っても比例原則を無視してよいとは思えないので。
民法の契約解釈のやり方は、ローエコの考え方に不慣れなこともあってか(それ以外の不勉強もあるだろうが)、読むのが難しく感じた。
会社法の取締役の競業ー利益の吐き出しーは山崎パン事件の事実関係についての記載が興味深い。
刑法の暴行罪と傷害罪の微妙な関係については、そこから入るかという導入部分も秀逸で、本文も解釈論が丁寧で良いと感じた。 - 演習。
憲法。今年はナントカ活で統一するらしいことに今更気づいた(汗)。中身は時事ネタで面白い。海外旅行の自由の根拠に複数の考え方があるのところまでは認識していたけれど、保護の程度の議論は知らなかった。
行政法。この手の事案だと非申請型義務付け訴訟になるというのはやや意外だが、受験は申請ではないといわれれば確かにそうか。
民法。所有権放棄の効果は考えたことがなく、なるほどと思いながら読む。
商法。利益供与。モリテックス事件が素材。まあそうなるよねと思いつつ読む。
民訴。民法上の組合と多数当事者訴訟というところか。組合なら組合契約上で選定当事者を定める合意をすればよいのではなかろうかと思った。
刑法。異なる罪の間の共同正犯。行為共同説とかあったねえと思いながら読む。
刑訴。被処分者の同意・承諾と捜査手法の適否。密航性の必要性とかすればそういう結論になるんだろうけど、デジタル系の証拠取得が容易になったときに、このあたりの議論に反映しないのかなという気もする。
労働法。内定取消。内定者側に帰責事由がないときは整理解雇の議論に行くのか。言われてみれば納得。 - 判例セレクト。
憲法の宗教法人への解散命令決定は、解説での決定の組み立ての分析が興味深い。
行政法のタクシー公定幅運賃設定の裁量権の逸脱濫用の有無は、特措法自体を知らなかったので解説での法の仕組みの説明が興味深かった。
民法のドワンゴvsFC2事件最高裁判決は、民法のところでとりあげられているのがやや意外。不法行為だからなのは理解できるのだが。
民法の都道府県警察所属の警察官が過労自殺した場合における都道府県の注意義務違反が認定された事例は、解説最終段落で指摘される一般論は重要と感じた。
民訴の損害賠償請求訴訟において、給付保持力の範囲を確認する旨の一部認容判決が許容されるとした事例は、こういう質的一部認容がありうるのかとやや驚く。
刑法の福島第一原発事故上告審決定は、解説3での指摘には考えさせられるものがあった。
刑訴の弁護活動と訴訟手続の法令違反は、解説にある通りなんだろうけど、控訴審から弁護人になったのであれば、第一審の弁護人の活動に何か言いたくなることもあるのかもしれないと感じた。刑事事件に関わらないので迂闊なことは言えないけど。
