掲題の展覧会を見たので感想をメモ...という割に、なんとメモしたらよいのか悩むうちに時間がたって、エントリになるまでに時間がかかってしまった(見たのは8月だった...)。
森山さんと中平さんがともに逗子エリアに居住していたことがあることから、彼らの写真のうち、この地域で撮ったものを中心に展示がなされていた。動画のインスタレーションのようなもの以外は撮影可能だったのは、森山さんの作品で、テレビ画面の複写とかがあったことなどを考えると、納得できるところ。
森山さんの作品については、それなりに見たことがあったが、中平さんの作品はまとめてみたことがなかったので、それを見ることができたのはまず良かった。
また、展覧会のパンフレット(というには重厚すぎるが)というか図録も、逗子に関係のない部分も含めて、お二方の関係性を軸にお二人の作品群を紹介しており、これ単体でも良いと感じた。
中平さんの作品の初期のものは、こちらが不勉強?だからかもしれないが、なんとなく森山さんの作品に近い部分があるような印象だったが、特に事故による記憶喪失等の後のものを見ると、もともと言葉の人だったのが*1、それを失った分、カメラのレンズになったかのような印象で、一つのものを凝視するかのような写真が印象的だった。写真以外のものをいったん失い、写真にすがって、カメラになって写真を撮ろうとしているのかもしれないという言い方にどこかで接したような気がするが、そういう指摘がなるほどと思えた。
展示されている両者の作品群を見ると、確かに、何らかの呼応があるようにも見え*2、互いを挑発しているのかもしれないとは感じたし、中平さんは既に他界されているが、今なお、森山さんを挑発し続けているのだろう、とも感じた。ただ、そうした挑発関係をよりよく理解するには、こちらの見る側としての修業(という表現が適切かは不明だが)が足りていない、と感じた。写真を見る側としてこちらもそれほど修業?を積んでいるわけではないから、当然のことではあるのだが...。
追記)ある種の呼応と思われる一組だけ写真に撮ったものを貼っておく。