写大ギャラリーで奈良原一高展を見たときにチラシをもらっていたが、会期が本日までと気づいたので見に行ってきた。会場は銀座和光の裏だった。
秋山祐徳太子の名前は、赤瀬川源平さん、高梨豊さんと「ライカ同盟」を組んでいたということくらいしか知らなかったのだが、現代芸術家というべき人。氏が都知事選挙に出たことがあったのは、どこかで目にした覚えがあったが、その際の記録写真等が今回展示されていた。
放っておいても注目してくれるという意味では、選挙、特に都知事選というのは、芸術活動の場としては、得難い場となり得る、ということは理解可能ではあるものの、実際にする人が出るとやや驚く。個人的にリアルタイムで記憶していることとの対比では、内田裕也さん(政見放送はこちら)の都知事選出馬を想起するのだけど、それは1991年のこと*1。それよりもずっと前の1970年代に、秋山氏が2度にわたって出馬していたというのに驚く。
芸術行為ということを意識しているからか、氏の様子には、堂々泡沫候補として活動しているところも含めて、それなりに「絵になる」と感じたし、選挙公報の文章やその推敲の様子も、芸術家の仕事、という感じも受けた。このあたりは、近頃の凡百のyoutuberの同様の行為とは違うところだろう。それと40年以上も前のことだと、選挙に使われる書類やグッズ(という言い方が適切かはさておくとして)も、そのモノ自体の存在感からして、何だか芸術作品の一部のようにも見えなくはない。そんなこんなをひっくるめて一つの芸術作品、という見方も可能なのだろう。
会場内は撮影可能だったので、全部の展示を網羅的に撮ったものではないが、写真を撮ったものを貼っておく。会場内では、最初の出馬の政見放送の音声や遊説中の様子の動画(8㎜で録画したもの)も流れていた。政見放送では、氏の声が思ったよりも高かったのが印象に残ったのと、氏の政見放送と共に、赤尾敏氏の政見放送も聴くことが出来たのが良かった。赤尾氏の独特の自体の愛国党のビラはよく目にしたのだが、氏の声を聴くのも初めてだった*2。
図録も面白かったので買ってみた。おまけでシールもくれたので、展覧会のビラと一緒に写真に収めてみた。