総会がらみの何だか

呟きに基づく相変わらずの雑駁なメモ。この時期なので、というところか。

  • 株主総会での役員の所作とかを揃えるのとかは無駄ではないか、という指摘に接した。所作と適法性との間に何らかの関係があるとも思えないので、当該指摘には理解可能なところがある。しかしながら、その場の適法性だけの問題と考えていいのかどうか正直疑問に思う。所作を含めた総会の儀式的な側面を重視するのは、株主総会が株主と役員層が直に接する場なので、そこで何かあると後でどう祟るかよみ切れないというところがあるから、ではないか。そう考えると、役員側の、質問などに真摯に対応するとか言う、主観で対応しきれる話ではないことは、それほど分かりづらい話ではないように思われる。個人株主に、一旦不快に思われてしまうと、そのことが後でどう言う風に自社に作用するか読み切れないところでは、そのような事態が生じるリスクを如何に減らすかという、リスク管理の視点という、法的義務の履践や適法な手続の確保とは異なる観点で考える必要があるように思われる。
  • 電子提供制度の導入のための定款変更議案について、定款変更はすれども当面は従前の紙ベースの提供を継続するという招集通知での記載*1及びこの点に疑義を抱く指摘にも接した。従前から変えないのであれば今回定款変更をしなくても良いのではないかという見方もあるが、定款変更議案はそうそう付議するものでもないから、今回web開示への対応で定款変更をするのであれば、まとめて変更するのもおかしな話ではないだろう。他方で、制度上従前と同じ形での提供も許容されているところ、株主の意向を踏まえて(この辺りは、年齢などを含む株主の属性次第で判断が分かれても不思議はないだろう。)、当面は従前の形を踏襲するという選択肢もあり得るとは思う。ある程度時間がたったところで扱いを変えるということをしやすくなる布石と思えばおかしくないのではないかと思うのだが。

*1:東京瓦斯の招集通知近鉄GHDの招集通知がこれにあたる。反対のものとしてKDDIの招集通知