blogを続けることについて

また、分かるようで分からない内容でメモしてみる。

先般twitterのスペース機能を使って、くまった先生に相手をしてもらいながら、書籍についてのお話をした*1。個人的には面白かったので、次を、ということで、くまった先生からいくつかご提案をいただいた中で、一つを選んで*2、アウトラインを示したところ、じゃあこれでやってみましょう、という話になったので、再度加筆したものを以下メモしてみる。くまった先生、及びリスナーの方々には感謝申し上げます。
こちらの挙動はblog/twitterで内容は概ね共通している。実際にしゃべる時の台本のようなものになっているが、実際に話した時には、多少内容は変わるかもしれない*3。いずれにしても何かの参考になれば、というところ。いずれもこちらを長らくご覧いただいている方であれば、周知の話かもしれないが、その点はご容赦あれ。
なお、見出し部分は、くまった先生からのお題である。

 

1.ブログを書く動機
2004年からブログをしているが、当初は留学準備・留学ブログだった。当時はMBAとかも含めて、留学ブログが流行っていた。MBAだとハーバートの岩瀬さん、LLMだと西村の中山さんが一番目立っていた。こちらも留学準備の過程でそういうものにお世話になったので、自分としての「恩返し」のつもりで、自分の記録を付け始めたのがきっかけ。やってみると、留学中に会社法の授業で不明なところを書いたら、同じテキストを使っていた中山先生が教えてくれるとか、ブログを起点に色々な人とつながりが出来たりして、想定した以上に面白かった。そういうブログは、留学が終わると、皆さん多忙になるので終わってしまうのが常だったけど、そういうことがあったので、終わらせるのもつまらないと思って、続けることにした。留学後はシンガポール赴任で、NYBarの準備もしていたので、留学準備・留学ブログからそういう内容のブログに移行した。NYBarの1回目受験後に帰国して転職となったが、そこでも辞めずに、辞め時を失ったままここまで来た。

やっていると、そういうものをやっている人ということで、普段自分のいるところの外の人と接点が出来て、そういう接点から、雑誌の記事を書く(実名で書いたけど)機会が出たり、アプリ制作に一枚かませてもらったりしたり、年末カレンダー企画やLTに一枚かませてもらったりして、それなり以上に得るものがあるので、飽きずに続けられているというところか。企業内法務、特に所帯の小さい法務部門では、自分のモチベーションを保つ意味でも、外からの刺激があるのは凄く重要と感じる。そういう手段としてblogとかtwitterは重要だと思う。

あと、変な話をすると、こちらの過去ログを見てもらうとわかるかもしれないけど、ある時期、メンタルに不調だった時は、冗談抜きで、毎日何か書く、ということが自分の日々の精神的な支えになっていたことがある。そういう使い方もあり得る。無理やり書過ぎた点は、後から某katax氏に揶揄されたりはしたけど。

 

2.ネタ探し困らない?
常に困っているというのが現状。ネタにしようと思っても、ネタに出来るかどうかは別。とりあえず、インプットの強制の契機として使用することにして、読んだ本とか雑誌の感想を書くとか、いくつか、定型ネタを用意することで、何とかしているというところ。現状(今後どうなるかはさておき)は、毎月、法律雑誌2つと法律書2冊の感想を書くのと、多少なりとも頭を使った法務系エントリを書くのと、法律系に関係ない本1冊の感想、展覧会とか見た感想、あと写真を貼る、のは必ずやると自分で決めている。

それらに加えて、年中行事として、法律系では、年末のカレンダー企画について、幹事をつついて開催にこぎつけるのと実際に参加することを決めていて、それ以外では、外苑の銀杏並木の写真は撮って乗せると決めている。これは定点観測めいたものだけど。

法律系だけにしないのが個人的には続けやすいと感じたからそうやっている。この辺りは、blogや企業法務に関する師匠であるろじゃあ先生(a.k.a.田中幸弘先生)の影響でもある。

個人のブランディングということを考えると、法律系ブログだけにした方がいいのではないかという意見に接したことがあるけど、それだと僕は息苦しくなって無理なので。この年数続いているんだから、僕が続けるということとの関係では有効なのだろう*4

 

3.気を付けていること

(1)続けることを目的とする。自分に対するハードルをあげない。

続けているうちに自分に対するハードルが上がるのは、自然なこと。だけど、それだと僕は続けられなくなる気がしている。なので、そういうことがあまり生じないように気を付けている。その分くだらないエントリが多いが、気にしない。続く中で諸々がどう変わっていくか見るのも楽しみなので。手動twilogめいたエントリとかはそういう意味で自分にとって残す価値があるからエントリにしている。

(2)特定を避ける。一定の線を引いて口にしない・書かないことを決めている(例えば住居の位置に関する話とか)。書きものにするかどうかはさておき、自分の中で明確な線を引き(線引き自体は適宜見直すのもありだろう)、それを守るのが無難。迷ったら書かないが基本。

(3)特定されても困らないような内容しか書かない

既に特定されたことがあるのでそういう対応になる。発言内容が積み重なるとどうしてもそうなる。
(4)批判は、①理由と共に、②必要な留保はつける

批判しない、というのは、一つの考え方としては理解するのだけど、それではつまらないと感じる。なので、すべきと判断した批判はする。ただし、なぜそう思うかは示すのと、批判の主語が大きくなりすぎないよう、留保はつける。もちろん言葉遣いとかは気を付ける。

(5)気まずくなったら、あやまったうえですぐ消すなり訂正するなりする。

火消しは速やかに。

 

4.匿名・実名のメリット・デメリット
実名はしてないからわからない(怖くてできない)が、匿名でも、長年やってると、匿名垢自体に一定の信用が付くのも事実と感じる。
実名だと所属と紐づけて見られてしまって言いづらいものが出てくると感じるが、それがないのはメリット。逆に、特定につながりそうな話がしづらいのがデメリット。守秘義務違反に触れない話でも、匿名性の維持の観点から発言しづらいことが出てくるのも事実。

 

5.おすすめブログ

法務関係者相手に、無限定にお薦めできるところとしては、次のあたりか。こちらが見ているあたりでもあるが。面倒なのでリンクは略。
弁護士では

  • 川井先生
  • 山口利昭先生
  • 伊藤先生
  • 水町先生
  • 企業法務戦士の雑感

法務担当者としては

  • ronnorさん
  • msutさん
  • 経文緯武さん

【追記:】くまった先生とのやり取りで覚えていることなとを追加。

弁護士(インハウスでない)と法務担当者(インハウスを含む)とでは、「炎上」の度合いが異なり、後者の方が炎上しにくいのではないという指摘をいただいた。その比較は考えたことはなかったけど、前者が迂闊に折れると依頼者から「刺される」危険があって、折れない方向に行きがちに見えるのに対し、後者は頑張りすぎておれないと社内で面倒になるから、折れることに抵抗感が相対的に少ないため、折れる方向に行きやすいのではないかと感じる...のだけどどうだろうか。

 

こちらのエントリの数についてもご教示いただいたが、数だけ見ると呆れるほど多いが粗製乱造の果てと思うと素直に喜べない。とはいえ、そうでもしないと続けられないのも事実だから、続いていること自体を肯定的に捉えるようにしたい。

*1:事前に準備をしたものは別途エントリにした

*2:残りは運がよければ後日、というところでしょうか。

*3:エントリのような形で残すのに適さないものは抜いてある。

*4:これをdisるなら、こちらと同じ年数やってから言っていただきたい、と言ってみようか(汗)。