去り際に語るべき言葉は

何のことやら。例によって呟いたことを基にメモ。

 

職場から退職する人に対して、残る側(上司だったり人事だったりする)が、exit interview(適切な日本語の表現が思いつかないのでこういう書き方をしておく)をすることがある。こちらも5社目に勤務しているということからして明らかかなように、この種のことをされたことも何度もあるし、したこともないではない。

 

その種の面談の際に、残る側が、退職する側の正味の「本音」を探ろうとすることがあるが、おそらく意味はないという気がする。退職を決めた側にとっては、最も必要なことは、速やかにその職場を離脱し、新天地での業務を開始することであるのが通常だろうから、その目的に照らして必要と思われることを言うことが精々で、退職する側にとって、自分の正味の「本音」を語ることは、退職及び残る処理(人事上の手続きが残ることもある)に支障が出る危険があるばかりで、得るところは少ないと見るべきだろうと思う。

 

もちろん、本人が言いたくなれば、なにがしかのことを言うかもしれないが、そうした言葉のうちにどれほどの正味の「本音」が含まれているかは、本人以外には分からないだろう。そうなると、本人が言っていることの中にどれほどの正味の「本音」が入っているかは不明確とみるべきだろう*1

 

とはいえ、送り出す側としても、何も聞かずに送り出すわけにもいかないだろう。それは、退職者の続出を防ぎたいとか、後から訴訟とかを提起されても困るからその可能性を探っておきたい(その場合は、受け答えの内容以外のところも含めた探ることになるのだろう。)、等の動機に基づくものもあるだろうし、実効性はさておき、聞くだけは聞いておくことにも一定の意味はあるという見方もあるだろうから。

*1:僕自身も、最初に転職するときは、留学から帰国して1年しか経過しておらず、色々と揉めそうだから、退職経緯についてまとめた文書を作成して提出する際も、表現には気を遣ったうえ、変に編集されないように、コピペ禁止のpdfにしたことを記憶している。