ことが走り出したら

何のことやら*1。ともあれ、呟いたことを基に雑駁なメモを。例によってこちらの経験・体感に基づくものなので、異論などがあり得ることは言うまでもない。

 

転職先を決める、それ自体結構な手間。でも、在職のまま転職先を決めたときには、現職をきちんと(次のところに出社するのに支障がでないというのが最低限か)やめるというのもそう簡単ではない気がする。

 

こちらの場合、特に初めての転職の際には、留学から戻って1年というタイミングだった。特に費用返還などについての取り決めは一切なかったものの、そのタイミングだと、盛大に苦情を言われる結果になった。文句を言われるためだけにシンガポールから東京に出張もした。こういうのは特殊過ぎるが、ともあれ、それぞれの状況に応じて、場合によっては、転職先を決めるのと同じくらい手間とエネルギーがかかることもあることは留意しておくべきかもしれない。転職先を決めればOK、とはならないこともあると。

 

その種の負荷を減らすために、平素から何かできることはあるか。一つには、平素からいつでも辞められるように引継ぎ資料を作っておくことが肝要という気がする。引継ぎに要する時間を減らせれば減らせるだけ去りやすくなるだろう。直近の時点での情報(しかかり中のものの引継ぎ等)とかは、その場でないと書けないとしても、書けることはあるはず。その際引き継ぐ相手が、中にいる人とは限らないという前提で、省略せずに書いておくのが無難な気がする。当然と思うことほど抜けがちになるので。情報の在り処(特に部署内)及び一年の定例行事のスケジュール感並びにその事務についてはメモを作っておくのは有用な気がする*2

 

もう一つは、リスクはあるものの、転職する気配を漂わせるのも、無駄な引き留めを減らす意味で手なのもかもしれないと思う。いうほど簡単ではないが、その会社における人の定着率が低いところでは有用な気がする。辞表を出すという決断に至った段階で、気持ちは離れていて、その分仕事ぶりにも影響は出るだろうから、引き留めは基本的に無益と、個人的には感じているが、やめる気配を漂わせることは、ある程度は有用な気がする。もっとも、定着率が高いところでやると変に不利益が生じる可能性があるので、しないほうが良い気もするのだけど。


具体的には、自分が将来いないかもしれないという前提を置いて話をするだけでも、やめる気配は漂うように思う。前提を置くというか、前提を置いていることを踏まえて話をするという感じだろうか。個人的には、気持ちが離れた段階で、モノの見立ての精度が途端に激落ちしたことがあるので、どのみち、そのあたりは隠しきれないのだろうと思っている。外資を辞める前後で、その種の事態が生じて(業務とは直接関係ない話だったが)、指摘を受けるまで気づかなかったが、指摘を受けて、苦笑いをした記憶がある。

 

こういうことも、なんのかんの言いつつも、転職も回数を重ねると、いろんなことに慣れてくる。転職人生を歩み始めると、転職それ自体に対するハードルが下がるのも事実。なので、初回の転職の時には、転職人生を歩み始めるのか否か、一番しっかり考える必要があると思う。個人的にはプラスマイナスいい勝負なので、安易に他人に勧める気はしない。

*1:BGMはこちら辺りで。

*2:こちらは、僕はまだ現職ではできていないが