いいかげん、馬鹿 / 中野 翠 (著)

例によって、図書館で借りて目を通したので感想をメモ。

著者のいつもの(?)サンデー毎日での連載を2019年10月からの1年分をまとめたもの。こちらは、単行本を都度読み続けているので、読まないと気分が悪い(汗)。

今回は、やはり、いまなお続く感染症禍下での中野さんの日常生活についての記載が興味深かった。お年を召されていることもあって、ある程度は引きこもり、ある程度は外出をされているが、引きこもっている際も、文明の利器(iPadを買われてnetflixもご覧になられているとのこと)を駆使して、不便ながらもしっかりと日常を楽しまれている*1のは、流石というところ。手の骨折とかあっても、概ねお元気なので*2、読んでいて年齢を感じさせることが、それほど多くないのが凄いと感じる。

 

あともう一つ印象的だったのは、坪内祐三さんの逝去をめぐるいくつかの記載。もともと風邪をひいて寝込んでいたところ、急遽亡くなられたという話に今回初めて接した。いずれにしても早すぎる話だが。また、氏の葬儀の際の記載や、葬儀の日に、中野さんが怪我をされた話やその後日談も、関連して興味深かった。

 

いずれにしても、まだまだ続きを読めそうな気がしているので、次の巻(ペースを考えると来年の今頃か)を読めるのを期待する次第。

*1:そういう側面を意図的に選んで書いているという側面はあるだろうとしても

*2:この辺が脳梗塞などで身体の自由が効かなくなっている小林信彦氏とは異なるところというべきだろう。