法学教室2020年3月号

前月に引き続きの購入。4月から定期購読する予定。箇条書きで特に印象に残ったところについての感想をメモ。

  • 特集は、学生さん向けという意味では良いのだろうけど、キラキラした側面ばかりに光が当たっているような印象が拭い去れずに、何だか微妙。弁護士の紹介の中にインハウスがなかった(公務員として働くというというのはあるのに…)のも、昨今の情勢では、適切かどうかにも疑義を覚える。それもあって、今号は、個人的には、何だかイマイチな気がした(個人の主観です)。
  • ここしばらくの国会における主要な成立法律の紹介は、こういう法律ができたのか、という点では興味深い(が、すぐに忘れそう)。
  • 連載については、憲法の記事は、人権宣言の権力者に対する人権の告知機能という指摘や「エリート・プラグマティズム」についての指摘は興味深かった。民法の、詐害行為取消権の解説は、転得者に対する議論は、パズルを解く感があって面白かった。刑訴の検面調書(2号後段)については、丁寧な解説がわかりやすかった。
  • 演習については、民訴の承継についての解説が、手続的処理の基礎の部分の解説が、恥ずかしながら今まで考えたことのない話(でも、言われてみると極めて当然にも思えるところなのだが…)で、学ぶところが多かった。刑法は、馴染みのない犯罪類型について、どう考えていくかという筋道がわかりやすく示されていて良かった。
  • 判例セレクトについては、刑訴の事件が、録音録画されたものの扱いについて実質証拠としての使用は、個人的には謙抑的であるべきではないかと思っているので、その意味では、使用を認める範囲を慎重に考えている判示は支持できると感じた。