いくつになっても トシヨリ生活の愉しみ / 中野 翠 (著)

図書館にあったので借りてみた。

 

中野さんのサンデー毎日のエッセイは単行本を図書館で借りて読む形をここ10年くらいとっている。こちらの置く場所の問題と、転居をしても常に近所の図書館にはあるから、ということによるのだが。この本はそれとは別のもので、古希を過ぎた中野さんが、トシヨリ生活について書いたエッセイ。

 

サンデー毎日のエッセイのどこかでネタになった話も多いので、長年の読者にとっては、既知の話も多かったし、その他のものも、これまでのエッセイの内容からすれば、推測可能な範囲というところだけど、それでも、著者自身の言葉でトシヨリであること、そして、今後について語られているのは興味深かった。サンデー毎日のエッセイでは、読んでいて年齢を感じたことはなかったのだが、70代らしいことも考えてるんだなというのがやや意外という気もしたけど。

 

老後、みたいなものが自分にあるのかどうかも定かではないが、仮にあったとして、それをどう過ごしていくのか、ということが、アラフィフともなれば気にならないはずもない。とはいえ、他方では、そのイメージがしづらいのも事実で、一方的に昔馴染み(?)として勝手に親近感を抱いている中野さんが、こういう形で、現役の状態のうちに、言葉にしてくれていると、なるほど、と思うことも多かった。