法学教室2020年2月号

概ね(最後の討論会は除く)目を通したので感想をメモ。

前に書いたように野田先生の呟きを見て、「足腰」に不安のある身としては、やってみても悪くないのだろうと感じて、買ってみた次第。

 

司法試験の基本科目については、業務で使う部分はごく一部*1なので、接点のない分野は、既に忘却の彼方にあるものと思われる。そういうこともあって、BLJよりも目を通すのには時間がかかった。

 

特集1の条文の基本は、条文が基本というのは、そのとおりなので、そこを再確認するという意味でも、非常に有意義だった。個人的には、法制局の方々の記事が特に参考になった。目的規定の基本構文については、不勉強で、知らなかったし。

 

特集2の、結局、「法」ってなに?という特集は、なんだか、よくわからないという感じに終始した感があった。

 

連載については、7法それぞれについて連載があるのかと思ったが、商法については、連載がなかった。憲法についての連載は、これまでの回の総括で、この回からいきなり読んでも正直よくわからなかったところがあったが、やむを得ないのだろう。行政法については、そんなのあったねえ、という感じ。民法の債権譲渡特約については、特約の性質を債務者にとっての債権者固定と理解しているところからして違和感があった(個人的には注記にあった建設工事標準請負契約約款の改訂作業での議論の方が理解しやすかった。法務省の笹井氏からは批判をされていたが)。民訴については、上訴案件にあたっていないし、司法試験の受験勉強でもあまりきちんと学んでなかったので、段階を追って説明がされているのに、なるほどと思いながら読んだ。刑法については、共犯の話が綺麗に抜けているのに気づいて、焦った。刑訴は、事例解説の途中からになってたので、事例自体つかめないところがあって、よくわからなかったが、刑訴規則199の110あたりの話は刑裁修習でも、検討をしたところだったけど、今読むと、提示をする前に何をする必要があるのか、そしてそれはなぜなのか、というあたりが重要というところを確認した。。

 

演習については、連載と違い7法それぞれについて記事があったけど、こちらについても、それぞれ興味深かった。

 

一応実務家の端くれになってから読むと、受験日までの時間に追われているわけではないので、心理的にもゆっくり目を通すことができるので、受験生の頃よりも、理解できる内容が増えており、それらもあって、受験生時点での勉強不足を痛感する*2。それとともに、野田先生が指摘されていたように、法律家としての「足腰」を十全に維持するためには、こういう形でのトレーニングの継続が重要と感じた次第。なので、4月からでも、定期購読することにしようと思う。どこまで読めるかはわからないけど。

 

*1:刑事は、1年目で研修の一環として割り振られたもの以外は、基本やってないし、公法系もない。訴訟自体もあまりない

*2:まあ、それでも合格はできたわけだし、可処分時間が限られていたことを考えると、十分でないところが残ったとしてもやむを得ないのだろうと思う。