以前目をとおした本が、増補改訂されていたのを見つけて読んでみた。気が付くと3部作になっていたので、残りの2冊も入手したので、追って目を通す予定。
起業してビジネスをして、決算書を作って税金を納めるという流れの中で、要所要所で財務3表(BS/PL(IS)/CS)にどういう影響が生じるか、を丁寧に示している
という点は、増補改訂前から踏襲されているし、3表が見開きに納まっているので見やすさは向上している。あせらずに、個々のステップごとに3表にどう影響をしているのか、直前の状態と見比べながらゆっくり読むと理解が進むと思う。著者が書かれているように、末尾についているフォーマットをコピーして手を動かすとよいのだろうが、こちらは、移動中とかに読んでいたので、それはできなかったが、計算が暗算でできるレベルなので、ゆっくり考えて頭の中で計算をしながら読むのでもよいと思う(そうやっていたら、読むのに時間がかかってしまった…。)。
冒頭2章で、基本的な内容を一通り説明した後で、さらに進んだ内容ということで、退職給付会計、税効果会計、減損会計についての説明があり、その後に、連結会計やIFRS、組織再編会計の説明もある。最後に、英文会計における財務諸表の形についても解説がある*1。
これらについても、経理の専門家以外にとって必要なことは何かという観点から、複雑すぎる話に踏み込まない形で解説がなされている。その加減が適当な感じなのが好ましい。個人的にはDESの意義がいまいちわかってなかったのだが、本書の解説で納得できた。具体的な計算例があった方が理解しやすかった。
先般のAC企画でも、経営者の話している言葉を理解することの重要性が指摘されていたと記憶しているが、そういう観点からすれば、財務会計を理解することの重要性は否定できないところだろうと思う。その意味でも、法曹や企業法務の担当者の方々にとっても読んでおいて損のない一冊だと思う。
*1:個人的には英文会計の部分はなくても特に必要性はあまり感じなかったが、気になる諸兄も多いのだろう。