踏み込めるか

例によって呟いたことを基にメモ。自分の中でも考えがまとまっていないのだけど。

 

外の弁護士として、依頼者に「寄り添う」という意味では、依頼者の内情にも「踏み込む」形のアドバイスがいいというような内容の呟きを見た。

 

単に、法的分析だけ述べるよりも良さそうに見えるのは一面で確かにも見えたのだけど、他方で、そんな単純な話?と感じたのも事実。

 

前にエントリで書いたように、外の弁護士の立場から依頼者を見ていても、依頼者の内情がどこまで見えているのか、心もとないという気がする。自分が依頼者のときに、外の先生に、「踏み込んだ」アドバイスがもらえるほど内情を開示していたかというと、おそらくnoだったから、そう思うのかもしれない。

 

理解が不十分なままに「踏み込む」ものが出てきても、依頼者にとっては有害無益なのではないか、という気がする。外の弁護士の側からすれば、「踏み込む」資格が自分にあるのか、というところで、どこまで自信を持って良いのか、依頼者側とのすり合わせが必要な局面もあるのではなかろうか*1

 

仮にその点をクリアしたとしても、依頼者側が「踏み込んだ」ものを望んでいるかどうかは、さらに別の検討が必要だろう。望んでもいないとしても、外の弁護士からのアドバイスにそういう内容が含まれていることは、企業内で一定の重みが生じることがあるので、そのあたりも注意が必要という気がする。

 

さらに、仮にこの点もクリアしたとしても、依頼者側が「踏み込んだ」アドバイスを実行可能かというところの検討も必要だろうという気もする。アドバイスがあったのに、できなかったということも、内部的には一定の重みが生じる可能性があると思うからなのだが。

 

結局は、外の立場からすれば、自分側の状況と、依頼者側の状況と、双方をにらみながら、依頼者とすり合わせたうえで、という形を取ることが必要なのではないか、と感じた次第。

 

 

*1:もちろん、依頼者に対して、知りたい情報をすべて開示するよう「オーダー」できるくらいの関係性があれば、そのあたりを気にする必要はゼロなのだろうが