BLJ2020年2月号

吉例に従い(謎)、宅配が遅れたが、読んだ範囲の感想を呟きを基にメモ。

 

ブックガイドは、法律書以外の割合が高くなっているのには、違和感があった。ITキラキラ系にとっては重要なのかもしれないが、それ以外の法務もいると思うのだが。まあ、BLJ自体が、広告から察するに、そちら方面に比重を置く形に舵を切ったのかもしれず、そういう話であればやむを得ないのかもしれないが、それにしても、と思ったので、敢えてメモしておく。また、既に@keibunibu先輩からご指摘があったように、新刊以外の紹介にももっと比重が置かれても良いのではないかとも感じた。

 

恒例の座談会については、こちらの印象としては、紹介する本を絞って、一冊にコメントする参加者の数を増やしたことで、より多面的な見方ができるようになったのは良かったのではないかと思う。網羅的に紹介というのはそもそも望むべきもないのだから。今年は、全般的に点が辛かったような気がしたが、それが期待値が上がったからなのかそれ以外の理由なのかはよくわからなかった。個別に感想をメモすると次のような感じか。

  • AIK本の評価が高いのは納得だけど、TMI滝先生本が、債権法改正についての本として(契約実務の本としてではないのが味噌かと)高いのはやや意外だった。
  • NAのNDA本については、最近出た某事務所本との比較でのコメントが見たかったが、時期的に間に合わなかった模様。その意味では、二次妻・無双様のレビューに期待したいところ(なんとなく、無理っぽい気はするけど)。
  • 国際法務のAMT本は、こちらでも購入して途中まで目を通したが、国ごとの叙述のばらつきがデカすぎて、編集が機能していないのではないかという疑念を持っているので、指摘には納得*1
  • AIとかのあたりや、労働法については、読んでないからわからないけどいかにもな感じ。知財のところは、戦略論の二冊が興味深いかも。スタートアップ系は、TMI本への評価が興味深い。

それ以外のところについても、同じく箇条書きでメモ。

  • 二次妻・無双様のレビューは、某分野の定番と新星の比較。紙幅もあって全面比較ではないけれども、検討範囲内では丁寧に比較していて、結論も納得できるところ*2
  • 別冊は、広告集ではあるが、面識のある先生方のお姿もちらほらと(以前から面識のある先生方におかれては相応にいろいろな意味で貫禄(汗)が付いた印象)。AMTで事務局トップ兼CHROの方が写っているのが印象的。
  • ハーレム連載。友好的関係にある当事者間のNDAだからといって、一般条項も定めないのはさすがに危ないし、登場人物のやり取りにしても、従前の彼らの振る舞い方からすれば、もうちょっと慎重に対応するのではなかろうか。次回にトラブルが発覚してその対応について解説するための伏線なのだろうが、それにしてももう少しやり様があるような気がした。

*1:コモンロー系の約因理論の話が、イギリス・アメリカのところではスルーされていたのに、シンガポールのところで出てきたけど、それはちょっとないんじゃないかと思ったのであった。

*2:余談だが、二次妻・無双様から、2020年のカレンダー企画では、江差追分、つまり、江頭会社法の改訂版の従前の版との差分記事を作成するという予告があったこともメモしておく。