BLJ 2019年12月号

例によってBLJが届いたので、読んだところの感想を、呟いたことを基にメモ*1。速報性重視だけど。

 

  • 何よりもまず、久しぶりに読者懇談会の情報に接した。ぜひ参加したいところ。僕自身にとっては、あちこちへのつながりをもたらしてくれた場なので。
  • 毎度おなじみ、二次妻・無双な方のレビュー。某分野の鈍器本の古典と、新星の比較。こういう手間のかかる比較をしているのがすごいし、結論もううむ、と、個人的にはうなる内容だった。今年のカレンダー企画では、江頭差分ができなさそうなので、この古典の方の差分をしていただけないかと(謎)。
  • 本号では、毎度楽しみにしていた、企業法務部への取材記事がなかったのは残念。
  • 改正民法の施行に対応するための取捨選択の記事は、いずれにしても、久方ぶりに、実にBLJらしい、時宜にかなっていて、かつ、読みごたえを感じる記事で、続編にも期待。企業内の法務の現場で長らく戦われてきた著者ならではの、視点(一応同じく企業の法務の中にいた者としては、納得しやすい)から、拙速な自社ひな型等の見直し等の対応への警鐘を鳴らすもの。今回の改正の立ち位置に立ち戻って、改正対応をどこまでするか、どう優先順位をつけるかを、諄々と説いている。個人的には、小手先のテクニックやキラキラ方面での道具を使って効率化とかうそぶくよりも、こういう考慮に基づく効率化ができる方がよほど、汎用性も高いだろうし、叡知を感じる。それと、改正対応の要否の図示も分かりやすかったことは付言しておきたい。もっとも、一点気になったのは、著者紹介で一番大事と思う部分が触れられていない点で、そう思ったのは僕だけではあるまい*2
  • 独禁法の道標は、行政法のおさらいが長い気がしたが、取締法規としての側面については、行政法と地続きということを再確認させてくれるものだった。「鎖国状態から解放」された、という白石先生の表現にも納得。
  • DOJ対応は、まあ、対策を一生懸命考えるとそうなるんだろうな、と思う反面、どこまで日本の企業が実践できるだろうかと思うと何だか微妙な気分になる。

 

*1:密林へのリンクを張ろうとしたが、アフィリエイトで見つからなかったので略。見つかったら貼るかもしれないけど。

*2:意図あってのことなのかもしれないので、何が触れられていないのかについては言及しない。わかる人にはこれでわかるだろうし。