BLJ 2019年10月号

例によって,読んだ部分のコメントを。呟いたことのまとめだけど。

 

 

  • 例によって無双様の書評*1は,気になっているけど手が出ていない某シリーズ*2を俎上に。共著の問題点の指摘は秀逸。当該シリーズの活用例と改善提案も素晴らしい…けど,実際に実行するのは大変そう。

  • ハーレム連載。マイナーな類型と思われる契約の解説も,有用な人には有用なんだろうけど,いい加減他のネタに行かないのかね…。最後の最善努力条項はなんだか曖昧な気がするけど大丈夫なのか,と疑問。best endeavorとあると,なんだかハードルが高いような気がするのだけど。

  • 独禁法の道標は興味深い内容だった。知財の帰属とかに関係して譲渡対価の相当性を問題にするとなると,対価の計算方法が時間も手間もかかって面倒そうなんだけど,少ない当局のリソースで迅速に中小企業保護をはかることを考えていると思われる当局の基本的な立ち位置とどう整合するのだろうとちょっと疑問。

  • 某社法務の紹介は,個人的には,日本から,子育てしつつオンラインでそれなりのローのUSLLMを修了した方がいるというのと,有資格者以外も,営業からの異動者もいる多様性の2つが印象的*3

  • 某KGYM先生ののopinion。XMLで情報整理って,XMLを使うこと自体のハードルの高さがスルーされているのではないかという疑惑(知らんけど)。まあフリーダムすぎる先生だからなあ…。

  • 意匠法の改正周りの記事。田村先生の顔写真は表情が(以下略)。それはともかく,不勉強でよくわかってないけど,田村先生の記事を見る限り総論というか考え方は理解できなくもないけど,各論というか,実際の権利化の過程が予測可能性をどこまで作れるのかは結構難しいような気がする…。
  • 小規模M&Aの記事は,この種の事案を1,2回しか経験してないけど(1回は外の弁護士さんはスポット的に質問するだけという形で,あとは自分たちで対応した),インタビューの重要性は納得。
  • 特集はこちらの経験がない分野なので,なんとも。ただ,植村先生の記事の不当表示性の判断の仕方の解説は,なるほど,と思ったのでありました。
  • 買収プロセスにおける個人情報保護法制に関するコンプライアンスの記事は,考えただけでも気が重くなったけど,内容は興味深かった。GDPRについては,EU個別の事情に基づく規制という側面が強いとなんとなく思っていたけど,他の法域でも部分的に類似している法制度を入れているところがあるのは,やや意外だった。

 

 

 

 

*1:一応ネタバレは避ける所存

*2:個人的にはほしいなと思うけど…高いし場所塞ぎになりそうで…

*3:アジア某国に赴任していた某氏が帰国して写真に入っているのも確認した