「意匠法-これまでの改正の経緯と今後の展望-」@RCLIP研究会

掲題の講演会を聞きに行った。いくつか感想を*1

#up後に数点加筆修正をした。

 

 

知財も,これまでのところ縁の深い分野とはいい難い状況ではあるのだが,タダだし,内容も面白そうだし,田村教授も面白そうだし,という程度で出かけてみた。出向いてみるとなんだか,僕よりも年上の人が多かったり*2,どうも皆さん知り合い同士っぽい感じで,これまた場違い感が強かったのだが,まあ,仕方がない。最初はそういうものだろう。慣れていけばいい話かもしれないし。

 

始まってみると,田村教授は,公的なお役目が一段落したせいで,言いたいことを言うという感じだったので,なかなか面白かった*3。某改正点については,ご自身の率直な感想を述べられたし。パワーポイントの資料は膨大で,案の定,後半は時間が足りずかなり駆け足気味だったが,それでも面白かった。知財で面白いと感じたことがあまりなかったので(汗)。いい刺激になった。

 

一つだけ,印象に残った点をメモしておくと,最後に出てきたIP Channelingという考え方。複数の法律に基づく権利を,その保護要件,保護範囲を見極めつつ,組み合わせて,製品のライフサイクルに応じた権利保護を得るという考え方,とでもいうべきなのだろう。

 

平面的なデザインやぬいぐるみ等は著作権の保護で足りる,というのに対し,

工業製品のデザインについては,

→(ライフデザインが長く,ヒットする確率を考えてもコストに値する場合には)意匠登録

→(後追いの保護に期待する場合には)デッド・コピー規制

(地域的に有名にして)周知表示の保護

(全国的に有名にして)立体商標の保護

 

この流れで十分保護できるのでは,というご指摘(がパワーポイントには書いてある)で,それはそうなんだろうと思える反面,ハードルの高さという面から妥当なのか,こちらの勉強不足でよくわからない。この辺りは今後学べればと思った次第。

*1:なお,田村先生も好きに書いてくださいという趣旨のことを述べられていたのできっと怒られないと思う

*2:といいつつ,こちらよりも若い知財系の知り合いの方々にもお目にかかったのだが…

*3:反面,審査基準策定関与されている某先生は,いきなり司会に話を振られても,保守的な対応にならざるを得ない状況にあるようにも見えて,やや可哀想な気がした