一通り目を通したので感想をメモ。類書がないと思われることもあり、この分野に関心があるならば、目を通しておいて損はない一冊。
サステナビリティ関連については開示が求められ、虚偽開示が金商法等による制裁の対象になる、というあたりで法務との接点が生じることになる。特に、開示内容もガバナンス関連は期間法務周りとも接点がある...というわけで、まったく無縁とも言い難いし、職務上一定の関心は持っている必要がありそうな気がする*1。前記の開示は資本市場とも関わる話ということもあり、本書は、大手事務所のキャピタルマーケット周りの法務に従事されている先生方がこのあたりの開示法務の実務についてまとめて解説したもの、というところだろうか。全体として220頁余という通読可能なコンパクトな分量で、関係がありそうなあたりをまとめてくれている。開示という切り口からこの辺りについて解説した本はなかなかないように思う。
本書は3章構成。第1章は、総論的な解説で、上場企業にとっての開示の必要性、重要性というあたりから、サステナビリティ情報とは何か、リスクファクター開示の意義や虚偽開示への制裁について解説がなされる。この章については、それより後に関心がない企業内法務担当者でも目を通しておくべきのではないかと思う。
第2章は、各論的な内容でサステナビリティ分野での課題領域ごとに、最新の状況も踏まえた解説がなされる。分野によってはこちらの興味関心が薄く、読むのが苦痛だったところも正直あったが*2、可能なら一通り目を通しておいても悪い話ではないのではないか。もっとも、コーポレートガバナンスの個所は、関係する規制についてコンパクトにまとまっており、第1章と同じく企業内法務担当者であれば目を通しておくべきではないかと感じた。
第3章は、サステナビリティ関連の投資についての解説が開示との関係も踏まえてなされる。この辺りはまったく知らないし、そもそもJTCの現勤務先で今後実施するかどうかもわからないので、話についていけない感じがした。
…一通り目を通してみると、第1章並びに第2章のコーポレートガバナンスの個所及び関係・関心のある個所だけ目を通すというのでも良いのではないかと感じた。それだけでも目を通しておいて良いと思う。
