月刊法学教室 2024年 07 月号

例によって目を通した部分につき、呟いたことを基に箇条書きで感想をメモ。今月はこちらは目を通し終われなかった...。無念。

  • 巻頭言は、そりゃそうなんだけど...という程度。
  • 法学のアントレの留学は、U of Hawaiiに客員研究員としていかれた方の記事。あそこに行くのはすごいと思った。個人的には環境が良すぎて勉強とか研究とかできる気がしなかったので。LLMに出願したときも、合格はしたけど、一緒に観光案内が入っていたのはあそこだけだった...。
  • 特集は民法の基本原則・重要概念の再検討。
    森田先生のイントロの後は、鳥山先生の債権者平等の原則。最後に書かれている指摘にやや驚く。言われてみれば確かに見た記憶はないのだが。
    三枝先生の契約の第三者に対する効力は、契約規範を債務的な内容と非債務的な内容に分けて検討するというのは、言われてみれば、そういう分け方で考えるとこの問題は考えやすいのかもしれないと思った。
    建部先生の人格的利益の侵害と差止請求は、判例の変遷を踏まえた疑問の提示が興味深く感じた。
    高先生の「権限」とは何か、は、その多義性というか、用語の使われ方が混乱しているように見え、正直よくわからないと感じた。
    平野先生の承継取得と原始取得は、いきなりグロティウスが出てきて面食らったが、どこまで理解できたかはさておき、法学上の起源に遡った解説は興味深く感じた。
    今回の特集は、こういう企画でもなければ目を通さない内容で、基本原則・重要概念であっても、その内容や根拠に不明確な部分があるということを改めて感じた。

  • 判例クローズアップはパブリックフォーラム論の位置づけの説明がなるほど、と思った(そこかよ>自分)。
  • 講座。
    憲法は権力分立・権力抑制。理念的なものの変容、みたいな感じで、抽象度が高く、政治史的な話はなかった。こういう感じの論じ方もありなのかもしれない。
    行政法抗告訴訟原告適格。”裁判官の眼差し”の変化というのはありそうな気はするが、どう整理していいのかよくわからなかった。
    民法。土地工作物責任と営造物責任。この両者の比較は興味深かったけど、こちらの勉強不足もあり、難しく感じた。
    会社法。投資単位としての株式。制度の変遷と背後にある投資単位についての考え方についての解説、特に経済状況の反映のされ方についてのものが興味深い。