士業の一人事務所について

こういうこともあったということでメモ*1

 

先般、登記する案件への準備のために、数か月ぶりに、オフィスの近くに事務所のあるいつもお世話になっていた司法書士さんに費用見積の依頼等を内容とするメールを送った。

 

一週間しても返信が来ない。リマインドのメールを送っても返事が来ない。

 

嫌な予感がする。連絡はほぼメールだけだったので、詳細は不明だが、件の司法書士さんはお一人で仕事をされていて、補助者の方とかがおられるわけではないようだった。ご自宅兼事務所ということもあり、用事がある時は、むしろこちらのオフィスに来ていただいていた。

 

事務所の電話番号に電話をする。「おかけになった電話番号は現在使われておりません」。予感は的中しているのだろう。司法書士登録を検索しても出てこない。

 

確認のために、所属単位会に電話を掛ける。昨年末に亡くなられたとのことだった。会側も、顧問税理士(ご遺族が相続の相談をされたのだろう)から連絡があって知ったということだった。

 

幸か不幸か、こちらが預けたままになっている資料はない。写しを取られていたものがあったとしても、僕が入ってからのやり取りについては、既に登記済の話ばかりなので、何かが起きる可能性は低いだろう。いずれにしてもご家族の方は業務に関与していないので、質問などのしようもない。連絡先も分からないし。

 

とりあえずは後任となる方を探すことになる。幸い時間の余裕があるので対応は可能であり、大勢に影響は生じることはなかった。

 

いずれにしても、士業の資格者が補助者なしで業務をしている場合には、資格の種類を問わず、この種の事態は生じ得るわけで、そういう資格者に依頼をする場合には、依頼者サイドとしても一定の注意が必要ということを痛感した。

*1:匿名性維持の観点から細部について、こちらの言いたいことに影響しない範囲で事実に脚色を加えている。また、実際に体験してから日をおいてエントリを公開している。