議論の極意 どんな相手にも言い負かされない30の鉄則 (SB新書 632) / 紀藤正樹 (著)

一通り目を通したので感想を手短にメモ。

 

某カルト対応などで著名な弁護士が著者ということで、とりあえず買ってみた。新書版で文字も大きく、文章も平易なので、すぐに読める。

 

書かれている内容自体は、議論の仕方の一般論のようなものに、紀藤弁護士の体験などに基づくコメントが多少ある程度で*1、特に紀藤弁護士でなければ書けないようなすごい内容が含まれているという感じは受けなかった。著者からの聞き書きで下請けのライターさんが書いたものと言われたとしても、個人的には驚かないというところ*2

 

読んでいて、特に印象に残ったのは次の諸点か。

  • 最後に、こうした議論の仕方は、悪用の余地があり、マインドコントロール紙一重という指摘。重要な指摘だとは感じたが、その紙一重の差を分けるものが何かについては、言及はなかったように思う。結局は倫理観のようなものなのだろう。
  • 「それは主観ですよね」という指摘は「議論の希釈」としてすべきではないという記載には、特定のネット上の有名人の物言いが脳裏をよぎって、苦笑した。

 

*1:中で出てくる特定の議論については、個人的な意見を異にする部分が含まれていたが、詳細は割愛する。

*2:実際がどうだったかは知らない。