立木義浩写真展「肖像/時」

掲題の写真展を見てきたので感想を手短にメモ。

 

立木義浩さんのポートレートに焦点を当てた写真展。写大(こちらの卒業生とのこと)ギャラリーから葉書が来たので見に行ってみた。

 

立木さんというとご本人の肖像とか(TVCMに出られていたのを見たような気がする。)、女性のポートレートの印象が強いが、氏の写真をまとめて見たことがなかった。今回はデビュー作から最近のものまで、ポートレート(仏像の写真もあるが、撮り方はポートレートのそれと思われるので、同じくくりにしてよいのだろう)等のハイライトをまとめた感じだった。もっとも、60年に及ぶキャリアを考えると、展示点数は少なすぎるのかもしれない。

 

個人的な印象だが、凝っていろいろ設定した写真の中ではデビュー作の「舌だし天使」が良かったが*1、それ以外はあまり感動しなかった。むしろ肖像写真然としたもの、特に有名人のものの方が、撮られている相手が誰だかわかっている分、とっつきやすく、撮る巧さが強く感じられた*2。この辺りは、こちらの鑑賞能力不足ゆえのことなのだろうが。

 

有名人の写真群の中では、大原麗子さんを撮ったものや松本幸四郎親子(20前の松たか子さんの姿が印象的だった)あたりが、個人的には気に入るものだった。男性の写真では松田優作さんの写真が印象的だった*3

 

巨匠という言葉にふさわしい巧さは堪能できたように思うので、ポートレート以外の作品も、機会があれば見てみたいと感じた。

写大ギャラリーの入り口近辺の写真を貼っておく。

 

 

 

 

 

 

 

*1:いきなり「カメラ毎日」に50p超が掲載というのが凄い。

*2:この人のこういう側面を強調しようとしてこういう形に撮ったのではないかというあたりが分かり易く感じられるものが多かったからそのように感じたのだが。

*3:写真以前のご本人の存在感のすごさによる部分が大きいような気がしたが。