リストに載ってなかった件等について

例の某KK氏の名前がNYBarの合格者リストに見つからなかった件等について、呟いたことなども含め、つらつらとメモしてみる。

 

そもそもかの方が本当にNY州司法試験に出願して受験したのか、も不明確で*1、かのリストが正確に合格者を網羅したものなのかも、必ずしも明確ではないので*2、かの方が不合格だったのかどうかは、少なくとも本エントリを作成している時点では十分明らかになっていない。

 

仮に、NYを受験していて、合格しなかったのだとしても、過去にかの試験を受験して合格したことのある者として思うのは、次回頑張れ、でしかないし、それ以上のことをいうのは適当ではない気がしている。この点は、かの試験を受験した経験のある方々も同様に感じている人が多いように見受けられる。試験自体年2回あるわけだし、日本のように受験回数の制限があるわけでもないのだから、次回合格すれば足りるだろう。仄聞する限り、真偽は不明なるも、一般論としては、日本の司法試験受験生に対する内定とは異なり、今回合格しなかったことをもって、直ちに今所属している事務所を追い出されるとは限らない模様だし。

 

かの試験についていえば、日本の司法試験との比較をすれば、日本人の日本の司法試験合格経験者にとっては、外国語での受験ということを割り引いても、なお、日本の試験よりは容易ということになるようだ。とはいえ、それは、そういう方々が、日本の試験で合格するまでの間に培った試験準備への高い耐性や試験一般に対する適応能力、それと、日本で学んだことが活きる部分があること、などが、有利に働いているから、という側面が多分にあるように思う。そういう部分のない者(僕はこちらになる)にとっては、十分難しい試験だと思う。特に、ロースクールで求められていたこととは、毛色の違うことを試験では求められ*3、そういうものに慣れるために使える時間に限りがあることからすれば、そういうことになろう。

 

ましてや、かの方については、色々な事情から、十分に受験準備に集中できなかったというのは想像に難くない。そうであれば、なおのこと、今回合格者リストに名前がなかったことをあげつらうのは酷な気がする。いずれにしてもこちらとしては、次に受験するときに合格するように、かの方の健闘を遠くからお祈りする次第である。

 

【追記】報道によると、不合格だったようで次回再度受験するようだ。いずれにしても応援する次第。

*1:NYにあるローに行って、NYにある事務所に行くのであればNY州司法試験を受験するのが自然でだとは思うが...。

*2:かの地の一般的な事務処理能力からすればこうした可能性を排除するのも困難だろう。なお、かの方の名前の有無を確認する際に自分の名前の有無も確認したが、僕の名前は載っていたので安心した。

*3:短期間で広範囲のこと、しかも、そのうちの一定割合のものは、未知のもの、を詰め込んで吐き出すことになるというのは、毛色が違うといえるだろう。この点で、試験が理不尽だという見方もあるかもしれないが、依頼者の求めに従い、求めに必要な結果を出すために、合理的に見えない法的手続きに従い、所定の内容の書面を出すというのは、実務家としてやることから遠いわけではない、という見方もあり得ると思う。そういう見方からすれば、多少理不尽な内容の試験であっても、如何なる方法で攻略可能であるかを調べて、その方法を履践する能力は。まさに実務家としての能力である、という評価も可能なのではないかという気がする。